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eドリル トップページ > That's GAKU(2019年3月)

2019年3月

「ゲノム編集ベビー」の誕生を確認

 11月26日、中国の広東省にある南方科技大学の賀建奎博士らが、ゲノム編集技術でヒトの受精卵を改変し、双子の女児を誕生させたとの報道があった。
 1月21日には、広東省の調査チームが、国家が禁じている、出産が目的のヒトの受精卵でゲノム編集が行われたと明らかにした。
 賀博士らは、男性がエイズウイルス(HIV)に感染している夫婦8組を募った。2017年3月から2018年11月の間に、体外受精でつくった受精卵の遺伝子を、エイズウイルスに感染しにくくなるようゲノム編集で改変して子宮に戻した。そのうち2人が妊娠、うち1人が双子の女児を出産し、もう1人は妊娠中だという。
 こうして、初めての「ゲノム編集ベビー」が生まれたことがわかり、専門家からは問題が指摘されている。「ゲノム編集の結果、先天異常の子どもが生まれるかもしれない」、「想定外の遺伝子を改変してしまった恐れもある」、「遺伝子改変の影響が世代を超えて続き、人類の多様性や進化に影響するような重大な事態につながる心配もある」などだ。ヨーロッパの国などでは、出産目的の受精卵の遺伝子改変は法的に禁止しており、日本でも春から、ゲノム編集した受精卵を子宮に戻すことを指針で禁じる方針だ。
 技術的にはゲノム編集が可能な時代に入った。それを抑えられるかどうかは、研究者や医療者の倫理観に委ねられている。

探査機が到達した最果ての天体「ウルティマトゥーレ」

 地球から約65億q離れた場所にある「ウルティマトゥーレ」が、これまで探査機が到達した最も遠い天体となった。ウルティマトゥーレとは、「世界の果て」という意味だ。
 無人探査機「ニューホライズンズ」が、1月1日、ウルティマトゥーレに到達した。ニューホライズンズは、アメリカ航空宇宙局(NASA)が、2006年1月に打ち上げた。冥王星を含む太陽系外縁天体の探査を目的とした初めての探査機だ。太陽系外縁天体とは、太陽系の最も外側を回る惑星、海王星の軌道より外側にある天体のこと。ニューホライズンズは打ち上げから13年かけてウルティマトゥーレにたどり着いた。
 1月1日、ニューホライズンズが接近通過(フライバイ)して探査し、撮影した画像を地球へ送ってきた。ウルティマトゥーレは全長約30qで、大小2つの球が合体した雪だるまのような形をしていることがわかった。専門家は、「大小2つの球体が、ゆっくりぶつかってできた可能性が高い」と説明する。
 表面には明暗模様もみられ、直径700mほどの小さなくぼみがたくさんあることもわかった。このくぼみが、小天体の衝突でできたクレーターか、内部から何かが噴出してできたものかはまだわかっていないが、この天体は太陽系の初期の状態を残していると考えられている。そのため、太陽系がどのように形成されたかを知る手がかりになる。今後もニューホライズンズからウルティマトゥーレの観測データが送られてくる予定。その解析により、さらに新しい発見がありそうだ。
 探査機ニューホライズンズは、今も時速5万q以上で太陽から遠ざかっている。新たな観測対象を見つけて探査し、最終的には太陽系を脱出する計画になっている。

中国版GPS「北斗」を全世界で運用開始

 12月27日、中国版GPS(衛星利用測位システム)「北斗」の基本システムのサービスが全世界で開始された。
 スマートフォンなどにも使われているGPSは、地球の上空を周回しているGPS衛星から送られてくる電波信号をもとに地球上の正確な位置を測定するシステム。地上のGPS衛星受信機が衛星からの電波信号を受信し、信号が届くまでの時間に電波の速度をかけて衛星と受信機の距離を計算する。3基の衛星から受信した情報を計算すると、地球上の位置が特定できるしくみだ。計算には誤差が生じるため、正確な位置を知るには4基の衛星からの情報が必要。連続して高い精度の測位をするには、8基以上から電波を受信できることが望ましい。
 中国の北斗プロジェクトは、1年余りで測位衛星19基を打ち上げ、全世界展開を2年前倒しして開始。すでに中国が提唱している経済圏構想「一帯一路」地域を中心に30を超える国と地域で中国の衛星が通信に使われている。2020年までに30基体制にし、全世界で誤差5mを目指す。中国は、アメリカのGPSに頼らずに全世界で北斗を運用できるようになったため、世界の国々にサービスを広げていきたい考えだ。
 アメリカのGPSの測位衛星は、現在、31基体制。全世界をカバーしているほかの衛星利用測位システムの測位衛星は、ロシアの「グロナス」が24基、EU(欧州連合)の「ガリレオ」が26基で、30基前後まで整備を進める計画だ。
 日本版GPS「みちびき」は、測位衛星4基体制で11月1日に運用が開始された。カバーしているのは日本を中心とした地域のみだが、精度は世界最高レベル。2023年には7基体制にしたい考え。アメリカのGPSに頼らなくても運用できるようにして、測定誤差をアメリカのGPSの100分の1以下の最小6pまで小さくする予定だ。

難病治療で期待される「iPS創薬」って?

 病気やけがで失われた機能を取り戻すために、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った治療が始まっている。現在はiPS細胞から、目、神経、心臓、血液、肝臓、すい臓、骨などの細胞をつくる研究が行われている。
 2014年には、目の難病である加齢黄斑変性の患者にiPS細胞からつくった細胞が移植され、目の機能を回復させられるようになった。iPS細胞を使った治療はパーキンソン病でも始まり、脊髄損傷の患者でも始まろうとしている。
 iPS細胞は、直接、治療に使われるだけでなく、薬づくりにも利用されている。iPS細胞を使って治療薬を探したり、つくったりする手法は、「iPS創薬」といわれる。
 通常、新しい薬の効果を試すときは、病気を再現した動物で実験をするが、患者の細胞からiPS細胞をつくり、病気の原因となっている細胞を再現すれば、ヒトに対する薬の効果が予測しやすい。
 12月には、慶応大学の研究チームが、全身の筋肉が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の治療に効果がある薬を患者のiPS細胞を使って見つけ出した。研究チームは、ALS患者のiPS細胞から神経細胞をつくって病態を再現。今回は新しい薬ではなく、ほかの病気の治療で使われている薬(既存薬)1232種類と反応させて効果を調べた。すると、パーキンソン病の治療薬として使われている「ロピニロール塩酸塩」に神経細胞の死滅を抑える効果があることを確認。ALS患者に投与する臨床試験(治験)を始めるという。
 これまでにも、同じ方法で難病の「進行性骨化性線維異形成症」、「ペンドレッド症候群」などで効果のある薬が見つかっている。難病の治療薬を開拓するにあたり、iPS創薬に期待が寄せられている。

2018 science CALENDAR

11/11「宇宙カプセル」がISSから帰還

国際宇宙ステーション(ISS)の試料を積んだ宇宙航空研究開発機構の小型カプセルが、小笠原諸島南鳥島沖で回収された。この「宇宙カプセル」は、高度300qで無人補給船「こうのとり」から切り離されたもの。日本の技術でISSから試料を持ち帰ったのはこれが初めて。

 

 

11/14生息数が増えた「マウンテンゴリラ」

国際自然保護連合は、絶滅の恐れがある野生生物のレッドリスト最新版を発表。絶滅危惧種の数は643種増えて2万6840種に。アフリカ中央部に生息する「マウンテンゴリラ」は、密猟対策や獣医師の活動で 1000頭超に増加し、絶滅危険度が1段階引き下げられ絶滅危惧 1B類に。

 

 

12/17「あかり」の観測で17個の小惑星に水

2011年に運用を終えた赤外線天文衛星「あかり」の観測データから、火星と木星の軌道の間にある小惑星帯で17個の小惑星に水の存在を示す鉱物が見つかった。小惑星は地球誕生の際に水をもたらした有力候補の一つで、地球の水や生命の起源の解明につながる可能性がある。

 

 

12/19「エボラ出血熱」がコンゴ史上最悪の流行

アフリカ中央部のコンゴ民主共和国で「エボラ出血熱」の流行が拡大し、319人が死亡。エボラ出血熱は感染者の約半数が死に至るという恐ろしい感染症。西アフリカでは、2013〜16年に1万人以上が死亡する大流行があったが、コンゴでは史上最悪の被害となっている。

 

 

2019 science CALENDAR

1/3 中国の「嫦娥4号」が月の裏側に軟着陸

中国政府は、無人探査機「嫦娥4号」が世界で初めて月の裏側に軟着陸したと発表。月は自転と公転の周期が同じため、常に地球に同じ面を向けている。地球上から電波が届かない裏側への着陸は難度が高い。今年打ち上げる「嫦娥5号」では、月面の土壌を持ち帰る計画。

 

 

1/23抗がん作用を高める「腸内細菌」を特定

慶応大学の研究チームが、免疫細胞を活性化する11種類の「腸内細菌」を健康な人の便から見つけた。免疫細胞にはがん細胞を攻撃する働きがある。この腸内細菌をがん治療薬と一緒にマウスに投与したところ、腫瘍の増殖を大幅に抑おさえられた。がん治療での応用が期待される。

 

 

2/22「はやぶさ2」が着地し試料を採取

探査機「はやぶさ2」は32億q飛行して小惑星「リュウグウ」に到着。着地に成功し、弾丸を発射して石や砂など試料の採取にも成功したもよう。リュウグウには生命の材料となる水や有機物があるとみられ、試料の分析が太陽系や生命の起源の解明につながる可能性がある。

 

 

2/26「268g」の赤ちゃんが成長し退院

昨年8月28日に体重「268g」で生まれた男児が退院した。無事に退院した男児では、生まれたときの体重が世界で最も軽かった。男児は女児より肺の発達が遅いことなどから、超低体重で生まれた男児の救命は難しく、これまで300g未満で生まれて退院した男児は世界で4人。

 

 

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