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eドリル トップページ > That's GAKU(2018年10月)

2018年10月

世界に誇れる技術やサービス

ベトナムに広がる日本式給食

ベトナムでは、2012年から、日本式の給食文化を普及させる「学校給食プロジェクト」が始まった。ベトナム政府と協力して、それを進めている企業が味の素グループの現地法人。
ベトナム政府が日本式の給食を取り入れたいと考えた理由は、栄養バランスのよさが子どもたちの健康につながると考えたからだ。じつは、経済発展が著しいベトナムの都市部では肥満の子どもが急増して、小学生の肥満率が30%を超えるほどになっている。街には外資系のファストフード店が増え、子どもがハンバーガーなどを買って食べている姿がよく見られる。その一方で、農村部では必要な栄養素が不足している子どもも多い。
ベトナムの小学校でも、以前から給食は出されていた。しかし、ごはんに味つけの濃いおかずを少量のせてスープをかけたものが一般的で、それだけでは栄養的にも分量的にも十分とはいえない。それなのに、なぜ太るのかといえば、給食だけでは足りず、揚げ物やチャーハン、お菓子など自分の好みのものを買い足して食べるからだ。
自分の食べたいものを食べたいだけ食べる。それがベトナム人の食事の基本で、栄養のバランスはあまり考えない。野菜をほとんど食べず、高カロリーの揚げ物ばかりをほおばるような偏った食事になりがちだ。
日本式給食がすぐれているとされるのは、必ず栄養士がバランスを考えて献立をつくっているから。「主食」「主菜」、「副菜」、「汁物」と品数も多く、栄養価が細かく計算されている。
しかし、ベトナムには給食の献立をつくる栄養士がいない。そこで、それを補うため、「学校給食プロジェクト」を支援する味の素は「献立作成ソフト」を開発した。ベトナム人の口に合う「主菜」、「副菜」、「スープ」、「デザート」のメニューをたくさんつくり、それをパソコン上で組み合わせれば献立ができるようにした。メニューごとの栄養価が細かく計算されていて、栄養バランスが悪い組み合わせを選ぶと警告が出るようになっている。メニューには材料や調味料の量も細かく表示されるので、それにしたがって各学校で調理できる。
「献立作成ソフト」のメニューは、味もボリュームも子どもたちに好評。都市部で始まった「学校給食プロジェクト」は広がりをみせ、2017年には、調理施設のある全国3800校余りの小学校で「献立作成ソフト」が導入されることになった。
味の素は、二十数年前にベトナムへ進出し、しょう油やマヨネーズのほか、現地の料理に合わせて豚でだしをとった調味料など十数種類の商品を販売している。「献立作成ソフト」のメニューには味の素の調味料を使っていて、このソフトの利用が広がれば商品も売れる。給食で味を覚えてもらえば、家庭での調味料の使用にもつながる。それだけでなく、健康的でおいしい食事を提供する企業としてイメージもアップすると考えた。

「食育」も取り入れて食生活を改善

日本式給食は、単に栄養バランスのいい食事を食べさせるだけでなく、「食育」にもなるのが大きな特長。給食を通して、どの食品が、体の中でどのような働きをするのかといった栄養についての知識を学ばせることができる。味の素はベトナムでも食育を始め、栄養についての正しい知識を持ち、理想的な食習慣をつけられるような教育の機会にしようとしている。
マレーシアでも子どもの肥満が問題になっていて、ヤクルトの現地法人が日本式給食や食育の導入を始め、食生活の改善に貢献しようとしている。子どもの肥満が問題になっている国では、糖尿病などの生活習慣病も増加しているため、食育はその予防にもなる。
日本の小中学生の肥満率が低いのは、栄養バランスのとれた給食のおかげだという研究もあるよ。また、給食の食育による知識は食生活の基礎になり、日本人の寿命を伸ばす一助にもなっている。健康を増進させる日本式の給食文化は世界に誇れるものだったんだね。

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