• eドリルを受講している人はこちら
  • 受講効果・目的
  • 受講システム
  • 充実のサポート
  • 費用・環境について
  • eドリルトップページ

eドリル トップページ > That's GAKU(2018年8月)

2018年8月

 「ユキヒョウ」は、山岳地帯の高山帯に生息する謎に満ちた動物だった。人があまり足を踏み入れない標高の高い岩場などで暮らし、昼間はあまり活発に活動しないため、人の目に触れることは少なかった。それでも、その美しい毛皮を手に入れるため、昔から猟の対象になってきた。今でも密猟が行われている国もある。
 しかし近年、モンゴルなどでは、毛皮を手に入れる目的ではなく、人間によってユキヒョウが撃ち殺されたり、しかけられたわなで傷ついたりという事例が増えているというよ。 ユキヒョウの生息数は4000〜6000頭ほどと推定されていて、絶滅が心配されている動物。なぜ、そんな希少なユキヒョウが人間の手で傷つけられるような事態になっているのだろうか。

岩場を駆け回り大型の動物も獲物に

 「ユキヒョウ」は、ヒマラヤと中央アジアの山岳地帯に生息するヒョウで、世界で最も高地で暮らすネコ科の動物。夏は標高4000m以上の場所で過ごすものも多く、冬は獲物を追って標高2000m以下の場所まで降りてくることもある。
 体重は27〜54s、体長は120〜150pで、90pもの長いしっぽを持つ。太い足は跳躍力にすぐれ、15mの距離もひとっ跳び。長いしっぽはバランスを取るのに役立ち、急勾配の岩場を駆け回るのに適した体のつくりになっている。
 山岳地帯の岩穴や岩の割れ目をすみかにして、群れを作らず単独で生活しているが、繁殖期の12〜3月にはオスとメスがともに行動する。メスは妊娠すると、100日前後で2〜3頭の子どもを産み、育児はメスだけで行う。
 ユキヒョウは肉食で、ノウサギやキジ、ガンなどの小動物もエサにするが、大型の草食動物も獲物にしている。ヒマラヤや中央アジアの山岳地帯には、アルガリ、マーコール、バーラルといった野生のヒツジやヤギの仲間が生息している。自分の3倍も体重があるようなこれらの獲物を追い回し、ときには崖から突き落として自分も一緒に転げ落ちながらしとめるといった豪快な狩りをする。ユキヒョウは夜行性で、朝夕に狩りをする姿が目撃されている。

 

ユキヒョウの生態は?

農民が害獣としてユキヒョウを駆除

 ユキヒョウが人間にねらわれてしまったのは、ヒツジやヤギに近づいたため。じつは、ユキヒョウが獲物にしようとしていたのは家畜。家畜のヒツジやヤギをエサにされている農民が、ユキヒョウを害獣として駆除しているのだ。なぜ、こんな事態になったのだろうか。
 そもそも、ユキヒョウの生息する高山帯には家畜などおらず、ユキヒョウと家畜は出合うことがなかった。ところが、地球温暖化による気温の上昇で、モンゴルなどでは標高の低い草地が砂漠化してしまい、遊牧民は標高の高い場所へ移動するしかなくなった。しかも、温暖化で森林限界(山地で高い木が生育できなくなる標高)が上昇し、標高の高いところまで放牧に適した土地になったため、家畜がユキヒョウの生息地に入り込むようになった。
 一方で、本来、ユキヒョウの獲物だった野生のヒツジやヤギの仲間は、温暖化で生息地が狭まり、数が減っている。おなかをすかせたユキヒョウは、野生動物の代わりに家畜をねらうようになってしまった。
 このまま温暖化が進むと、ユキヒョウが生息できる山岳地帯の高山帯は、2070年には4分の1にまで減少するという報告もある。ユキヒョウは人間に駆除されるようになっただけでなく、生息地そのものを失うことになるかもしれない。

 

ページの先頭に戻る