• eドリルを受講している人はこちら
  • 受講効果・目的
  • 受講システム
  • 充実のサポート
  • 費用・環境について
  • eドリルトップページ

eドリル トップページ > That's GAKU(2017年12月)

2017年12月

「ペンギン」といえば、南極を代表する動物。よちよち歩く姿はかわいらしく、ほわほわの産毛に包まれたヒナは愛くるしい。ところが、そんなかわいいヒナたちに異変が起きた。
南極大陸のアデリーランドの海岸に、ペンギンのヒナの死骸が多数散乱しているのが見つかった。そこは、「アデリーペンギン」1万8000組のつがいが子育てをする営巣地のコロニー。生き残ったヒナはたったの2羽。この年、生まれたヒナのほとんどが、変わり果てた姿になってしまったのだ。
南極に生息するペンギンは4種類。ヒゲペンギンとジェンツーペンギンは、南極半島周辺に分布。コウテイペンギンと、この「アデリーペンギン」は南極大陸に広く分布している。いったいどんな異常事態がペンギンの営巣地に発生したのだろうか。

アデリーペンギンの生態は?

生まれた場所に戻り繁殖・子育て

アデリーペンギンは、体長60〜70pに成長する中型のペンギン。目の周りが白く、リングのようになっているのが特徴だ。
南極の冬に当たる3〜9月、南極大陸の周りは海氷で覆われているので、アデリーペンギンは周辺の海域で群を作って生活している。海氷が解ける10月ころ繁殖期を迎えると、コロニーと呼ばれる繁殖地に集まる。
アデリーペンギンのコロニーは海岸に近い岩場。夏には積もった雪が解け、石や岩が露出するような場所だ。小石を高く積んで巣を作り、産卵する。卵は雪どけ水に浸かると死んでしまう。ヒナには水をはじく羽毛がなく、水たまりで体が濡れると凍死する。だから、小石を使った巣作りは重要な作業だ。
卵がふ化するまで約35日。最初にオスが抱卵し、メスはエサを求めて海へ。主食はエビに似た甲殻類のナンキョクオキアミ。卵がふ化するまでに一度、オスとメスが役割を交代する。
ヒナは生まれてから3〜4週間、巣でエサを与えられたあと巣を離れ、ヒナが集まるクレイシュ(保育園)で、両親が海からエサを取ってくるのを待つ。戻った親鳥は、多数のヒナの中から、鳴き声で自分の子を判別するという。
生まれて2か月ほどで茶色い産毛が生え換わり、冬に向かう2月ころ、繁殖地のコロニーを離れて周辺の海へ移動していく。

 

森林火災が多発し生活の場を追われる

ヒナたちはエサを待っていた。だが、待てど暮らせど親鳥は帰ってこない。その理由は、海岸に大量の海氷が流れ着き、エサ場が数十qも遠くなったから。親鳥は何十qも氷の上を歩かなければ、オキアミのいる海に飛び込めない。その帰りを待つ間に、ヒナたちは力尽きて餓死したのだ。季節外れの海氷は、2010年にメルツ氷河から分離した巨大氷山が流れ着いたもの。
2010年にもアデリーペンギンのコロニーがあるデニソン岬に巨大氷山が漂着。面積は約2900kuと東京都を上回る大きさ。そのためエサ場まで約60qも歩くことになった。アデリーペンギンは、生まれた場所に戻って繁殖するため、コロニーの環境変化は、直接、繁殖に影響する。2010年に約16万羽いた群れは、6年間で1万羽にまで減少した。
南極では、温暖化により、氷河の崩壊や気候変動が激しくなった。今回、ヒナが大量死したコロニーでは、4年前にも雨のあとの寒波でヒナが凍死して全滅。「21世紀末には、アデリーペンギンのコロニーの最大60%が生息に適さない場所になる」という論文も発表されている。
また、ペンギンの主食のオキアミも、海水の温暖化と酸性化(海水に溶けた二酸化炭素の増加)で減少。人間の排出する二酸化炭素が、南極のペンギンの生存まで脅かしている。

 

ページの先頭に戻る