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eドリル トップページ > That's GAKU(2017年8月)

2017年8月

顔といい、体つきといい、見れば見るほど親しみを覚えてしまう「オランウータン」。「うちのおじいちゃんにそっくり!」という声も聞こえてきそうだ。ヒトと同じ霊長類で、遺伝子の96%がヒトと同じだというから、生物学的にもオランウータンはヒトに近い動物だね。
しかし、その数は減り続け、20世紀初めからの100年で、生息数は5分の1にまで減少したという。
マレー語で“森の住人”と名づけられたオランウータンは、東南アジアの熱帯林に生息している。その森で、近年、異変が起きている。命からがら、森から逃げ出すオランウータンの母子。力尽きて、そのまま命を落とすものもいる。
オランウータンのすむ東南アジアの熱帯林で、いったい何が起こっているのだろうか。

一生のほとんどを樹上で生活

オランウータンは、かつて東南アジアに広く分布していたが、現在の生息地は、スマトラ島とボルネオ島(インドネシア・マレーシア)の2島のみ。
体格もヒトとよく似ていて、オスは80s以上、メスは35〜40sまで成長する。大人になるのは15歳前後で、寿命は60歳くらい。オランウータンは群れを作らず、単独で生活する。一緒に生活しているのは母親と幼い子のみで、子どもは6〜9歳で独り立ちする。そのため、メスは6〜9年に1頭ずつしか子どもを産まず、一生のうちに産む子どもの数は4〜7頭。子どもの数が少なく、母親が死んでしまうと、幼い子どもも命を落とケースが多いので、一度、数が減ってしまうと、生息数を増やすのは難しい。
主食は果実などの植物。いちばんの好物は、ドリアンやマンゴーなどの甘くてカロリーの高い果物。それがないときは、イチジクやカキの仲間など、酸味や苦みの強い果実を食べる。果実が手に入らないときは、若葉や樹皮、ときには、木に登ってくるアリなどの昆虫も食べる。
生活の場は熱帯林の高い木の上。夜も、樹上で木の枝を折りたたんで、5分ほどで上手にベッドを作り、そこで眠る。食料も木の上で調達するので、地上に降りてくることはほとんどない。一生の大部分を樹上で過ごしている。

 

森林火災が多発し生活の場を追われる

近年、オランウータンの暮らす熱帯林では、毎年のように森林火災が発生している。大規模な火災では何百頭ものオランウータンが焼死することもある。命からがら森を逃げ出しても、熱帯林が燃えてしまっては食料が調達できない。人里へ逃れると、今度は農園の果実を荒らすからと、村人に駆除されてしまう。
20世紀の初め、熱帯林に覆われたスマトラ島とボルネオ島には、約32万頭のオランウータンが生息していた。ところが、1960年代から、熱帯林が伐採され、大量の木材が日本などへ輸出された。熱帯林だった土地には、ヤシ油をとるためのパームや紙パルプの原料になるアカシアが植えられ、プランテーションに姿を変えた。熱帯林の減少とともに、オランウータンの生息数も減少。現在は約6万頭と、100年前の5分の1になり、さらに減少している。
熱帯林の減少に追い打ちをかけているのが、大規模な森林火災の頻発だ。熱帯林を農地にするために焼き払う火が延焼することもあるが、それ以外にも森林火災が起きやすくなった原因がある。@木が伐採されて風通しがよくなり、熱帯林の湿度が下がったため。Aエルニーニョ現象による異常乾燥が増えたため。ヒトが自然環境を変え、気候変動を招いてしまったことが、オランウータンの森に火災を起こしているのかもしれない。

 

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