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eドリル トップページ > That's GAKU(2017年1月)

2017年1月

「トナカイ」といえば、クリスマスにサンタクロースのそりを引く動物として、日本ではよく知られている。寒さをものともせず、雪の上を力強く走るイメージがあるよね。
そのトナカイに、昨年の夏、異変が起きた。ロシア北部のシベリア地方、北極海に突き出たヤマル半島で、およそ1か月の間に、1200頭ものトナカイが死んでしまったのだ。
ヤマル半島は、地下に永久凍土が広がるツンドラ地帯。以前は夏でも最高気温が20℃以下だったが、最近は25℃以上になるのが当たり前になっていた。永久凍土がとけてしまい、沼地のようになったり、乾燥したりするところもある。昨夏の暑さは異常で、最高気温が35℃に達した日もあったという。
トナカイの大量死は、どんな原因で起こったのだろうか。

『股のぞき』で「イグ・ノーベル賞」!

トナカイは、北極圏から亜寒帯にかけて生息しているシカの仲間。北欧のグリーンランドやノルウェー、フィンランド、ロシアのシベリア地方などに分布している。北米では「カリブー」とも呼ばれ、アラスカやカナダにも分布する。
シカの仲間では珍しく、オス、メスともに角が生える。角は毎年抜け落ちて生え変わるが、大きいものでは130pもの長さに成長する。
トナカイは季節によって群れで移動する動物。冬は風雪から守ってくれる針葉樹の森で過ごし、夏は木の生えていないツンドラ地帯の草地で過ごすものが多いが、すむ地域の地形や気候によって移動する距離はさまざま。夏と冬の生息地が100q以上離れている群れもあり、カナダでは800qも移動する群れが確認されている。シベリアのネネツ族やラップランドのサーメ族のように、北方の先住民族には、トナカイの群れを率いて移動する遊牧民もいる。
トナカイは9〜11月ころ交尾し、5〜6月ころ出産。冬の間は角やひづめで雪を掘り、その下にある地表のコケ(正しくはコケに似た菌類の一種)を食べ、春になるとツンドラの草地に移動して草をたっぷり食べる。草地に到着すると、妊娠したメスはすぐに出産し、栄養価の高いみずみずしい若葉を食べて子どもを育てる。

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当初、トナカイの大量死は、暑さで弱ったからだと思われた。だが、原因は炭疽菌だった。
70年前、炭疽菌に感染したトナカイを永久凍土に埋葬したが、温暖化で永久凍土がとけて死骸が露出。トナカイがそれに接触し、感染が広がったのだ。永久凍土には、天然痘で亡くなった人も埋葬されているし、未知のウイルスも眠っている。それがとければ、ほかの危険な病原体が出てくる心配もある。
温暖化によるトナカイの異変はこれだけではない。スバールバル諸島では、早春、温暖化で昼に雪がとけ、夜は氷となる。ひづめで氷を割れずに、コケが食べられなくて餓死するトナカイも出ている。グリーンランドでは、生まれる子の数が減り、生後、死ぬ子の割合も増加した。10年ほどの間に、気温の上昇で草の育つ時期が16日も早まったが、トナカイの繁殖周期は日照時間の季節変化によるため早くならない。子の数が減ったのは、出産と子育ての大事な時期に、栄養価の高い草を食べられなくなったためだった。地球温暖化は、さまざまな場面でトナカイの生存環境を脅かしている。

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