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eドリル トップページ > That's GAKU(2016年9月)

2016年9月

自然に関する慣用句はたくさんある

友だちととても楽しい時間を過ごしているとき、「楽しいね」と言いますね。「マジ楽しい」と言ったほうがしっくりくるという人も多いかもしれません。
けれど、相手が目上の人だったらどうでしょう。さすがに「マジ楽しい」とは言えません。その場合は「楽しいですね」などと丁寧な表現をするでしょう。 
私たちは、相手と対等か、失礼があってはいけない相手かをとっさに判断して、ふさわしい表現を選んでいるのです。
こうした会話と同様に、文章でも書き手の意図によって文体を使い分けることができます。
「常体」と「敬体」です。

同じ慣用句でも国によって意味が違う!?

たとえば、今あなたが読んでいるこの文章。これは、「〜です」「〜ます」で文を結んでいます。 このような文体を「敬体」といいます。「常体」は文末が「〜だ」「〜である」などで終わる文体のことです。
では、冒頭の文を「常体」に変えたらどうなるでしょう。
——友だちととても楽しい時間を過ごしているとき、「楽しいね」と言うだろう。—— 
同じ内容なはずなのに、少し堅苦しく感じませんか?これが常体文の特徴です。簡潔に表現できるものの、格式ばった印象になります。
一方の敬体文は、やわらかに感じられます。ただ、丁寧に表現する分、少し回りくどくなりがちです。 
文体は、常体と敬体、どちらを使ってもかまいませんが、一つの文章の中では統一したほうがいいとされています。また、文末だけでなく、途中の文体の統一も忘れてはいけません。
では、次から正しい文体の表現を見ていきます。今回は「外国人に紹介したい日本の食べ物」についての文章をもとに考えていきましょう。

 

わかりにくい文章(1)

あぶらののった魚を酢めしと一緒に食べれば、外国の人もそのおいしさがわかると思う。〜回転ずし店へ行けば、くるくると回るおすしを選ぶ楽しさも加わって、さらにおいしく感じられると思います

解決策

文末の文体を統一しよう。

文末に「思う」という常体と、「思います」という敬体の両方が使われています。
少し長い文を書いていると、伝えたい内容を表現することに夢中になり、そのときの勢いで文末を常体にしたり敬体にしたりというミスをしがちになります。常に自分がどちらの文体で書いているのかを忘れないようにして、統一するようにしましょう。
今回の文章では常体にそろえてみます。

わかりやすい文章(1)

〜わかると思う。〜回転ずし店へ行けば、くるくると回るおすしを選ぶ楽しさも加わって、さらにおいしく感じられると思う

わかりにくい文章(2)

日本には魚を生で食べる習慣がありますが、外国にはあまりないようなのだ。

解決策

文末以外の文体にも気を配ろう。

文体を統一しようとして文末にばかり気を取られると、途中の表現の不統一を見落としてしまうことがあります。この文のように、接続助詞で文と文をつなぐような場合に統一を忘れる例が多く見られます。どちらの文体で書いているのかを意識しましょう。
@と同様、ここでも常体にそろえてみます。

わかりやすい文章(2)

日本には魚を生で食べる習慣があるが、外国にはあまりないようなのだ。

わかりにくい文章(3)

外国の人もそのおいしさがわかると思う。〜日本のおすしは、切れ味のよい包丁で魚を切ると思う。〜魚のうまみとしょうゆの塩気、そこにわさびの爽やかな香りが加われば、口の中に見事なハーモニーが生まれると思う

解決策

同じ表現の連続を避けよう。

自分なりの意見を書いていると、つい文末に「〜と思う」を使いがちです。けれど、いつも「思う」で終わっていては箇条書きのような単調な文章になってしまいます。「思う」以外の表現を使う、あるいは、意見や感想ではなく事実であれば言い切る、などの工夫をしましょう。

わかりやすい文章(3)

外国の人もそのおいしさがわかるだろう。〜日本のおすしは、切れ味のよい包丁で魚を切る。〜魚のうまみとしょうゆの塩気、そこにわさびの爽やかな香りが加われば、口の中に見事なハーモニーが生まれるのだ

わかりにくい文章(4)

しかし、一度食べれば、たぶんそのおいしさをわかってもらえるに違いない。

解決策

言葉を正しく呼応させよう。

「たぶん」を使うのなら、文末で呼応させるのにふさわしいのは「〜だろう」といった推量の表現です。ただし、ここでは、外国の人もおすしを好きになることを書く人が確信しているので、「きっと〜違いない」とすると強く主張することができます。

わかりやすい文章(4)

(T)しかし、一度食べれば、たぶんそのおいしさをわかってもらえるだろう
(U)しかし、一度食べれば、きっとそのおいしさをわかってもらえるに違いない

慣用句は場面を選んで効果的に使おう

文体をそろえるのが絶対のルールかといえば、そうではありません。小説やエッセイなどのなかには、あえて文体をそろえずに書かれているものもあります。ですが、それらは特別な効果を狙ったもので、高度なテクニックが必要です。
まずは、読む人が不自然さを感じないように文体をそろえ、リズムのよい文章にすることが大切です。
では、文体を統一しなおした文章を読んでみましょう。

私が外国人に紹介したい日本の食べ物は大好物のおすしだ。日本には魚を生で食べる習慣があるが、外国にはあまりないようなのだ。それを知ったとき、私はとても残念に思った。
あぶらののった魚を酢めしと一緒に食べれば、外国の人もそのおいしさがわかるだろう。必ずしも高級なすし店でなくてよいのだ。回転ずし店へ行けば、くるくると回るおすしを選ぶ楽しさも加わって、さらにおいしく感じられると思う。 
日本のおすしは、切れ味のよい包丁で魚を切る。切り口の美しいさしみをふわりと握った酢めしの上にのせ、香りのよいしょうゆにつけて食べる。魚のうまみとしょうゆの塩気、そこにわさびの爽やかな香りが加われば、口の中に見事なハーモニーが生まれるのだ。
生魚を食べることは、慣れない人にとって勇気がいることだ。しかし、一度食べれば、きっとそのおいしさをわかってもらえるに違いない。日本を訪れる外国の人には、おすしという日本の食文化のすばらしさをぜひとも味わってほしい。

文体を統一することで、読みやすくなりました。文体を意識して、わかりやすい文章を書いていきましょう。

覚えておこう!

常体と敬体には次のような対照的な特徴があります。内容によってうまく書き分けてみましょう。

常体

@簡潔で伝わりやすい表現になる
A強い主張や断定をしやすい
B堅苦しい印象を持たれる場合がある
          ↓
事実や意見を正確に伝える文章に向いています。

敬体
@やわらかい表現になる
A丁寧で、やさしい印象を与える
B回りくどく感じられる場合がある
          ↓
共感を求めるような文章に向いています。

 

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