• eドリルを受講している人はこちら
  • 受講効果・目的
  • 受講システム
  • 充実のサポート
  • 費用・環境について
  • eドリルトップページ

eドリル トップページ > That's GAKU(2016年8月)

2016年8月

「純野生トキ」が42 年ぶりに巣立つ

新潟県の佐渡島で、6月1日、野生の親同士から生まれた「純野生トキ」のヒナ2羽が、高さ10mのアカマツの木の上にある巣から巣立ちのときを迎えた。日本で純野生のトキが巣立ったのは、1974(昭和49)年以来、42年ぶりのこと。
このヒナは、2007年から2010年に人工飼育で生まれ、放鳥されたトキ4羽の「孫」にあたる。
日本産のトキが本土で絶滅したあと、当時の環境庁は、佐渡島に残っていた5羽を保護して繁殖させるため、1981(昭和56)年に捕獲。しかし、繁殖は成功せず、2003年に最後の「キン」が死んだため、中国産の同種のトキを人工繁殖させて、2008年から放鳥を続けてきた。
昨年も、野生同士のペア3組が卵を産み、抱卵したところまでは確認されたが、いずれも、ふ化には至らず、今年に期待がかかっていた。
今年は、6月23日までに、5組のペアから純野生のヒナ9羽が生まれ、そのうち、無事に育った6羽が巣立った。現在の野生のトキの生息数は、佐渡島で150羽を超え(本州3羽)、順調に増加している。トキが群れをつくって世代交代していく自然な姿に、また一歩近づいた。

西アフリカで流行中の「ラッサ熱」って?

「ラッサ熱」は、ウイルスで感染する病気。ラッサ熱を引き起こす「ラッサウイルス」は、世界保健機関(WHO)が細菌やウイルスを危険度によって4段階に分類したバイオセーフティーレベルで、最も危険なレベル4。そのラッサ熱が、ナイジェリア、ベナン、シエラレオネ、トーゴなど西アフリカで流行し、昨年11月から今年4月初めまでに160人以上が死亡していたことがわかった。
ラッサ熱は西アフリカ一帯の風土病で、1969年にナイジェリアのラッサ村で最初の患者が確認されたことから、その名がついた。ウイルスを媒介するのは野ねずみの一種であるマストミス。ウイルスに感染してもマストミスに症状は出ないが糞や尿などの排泄物や唾液と一緒にラッサウイルスを排出し続ける。ヒトはその排泄物や唾液に汚染されたものを食べたり触ったりすることで感染してしまう。
ラッサウイルスに感染すると、頭痛や発熱などインフルエンザに似た症状が表れ、重症化すると吐血し、死に至る。感染しても80%の人は発症しないが、発症したら早い時期に治療しないと5人に1人が重症化し、肝臓や腎臓を侵される。これまでラッサ熱の致死率は1〜2%とされていたが、今回の流行では致死率がはるかに高く、WHOが早期の治療を呼びかけている。
西アフリカで感染した人が移動後に発症することもあり、日本でも、1987年、シエラレオネに渡航した男性が帰国後に発症した例がある。2000年以降では、ドイツ、イギリス、オランダ、アメリカなどで報告されており、今年4月には、リベリアから移動した人がスウェーデンで発症している。
さいわい西アフリカ以外での流行はまだないが、感染者の血液や排泄物への接触でヒトからヒトへも感染するため、他の地域でも流行の可能性はある。日本とアフリカの交流も増えているので、ラッサ熱についても覚えておきたいね。

 

 

「熊本地震」の原因は活断層のずれ

4月14日に始まった「熊本地震」では、東日本大震災以来の震度7を、14日の前震(M6.5)と16日の本震(M7.3)で2度観測。震度6強や震度6弱の余震もたびたび起こった。
この熊本地震は、どんな場所で、何が原因で起きた地震なのだろう。熊本地震の本震(16日)は、震源が内陸の深さ12kmの浅い場所だったので、「直下型地震」と呼ばれる。直下型地震は、規模が大きいものでもマグニチュード(M)8程度までだが、震源が浅いため、震源に近い地域は激しい揺れに襲われ、被害が集中する。阪神淡路大震災も直下型地震で、M7.3、震度7を観測した。
それに対して、大陸プレート(岩板)と海洋プレートが沈み込む海底が震源となる「海溝型地震」は、M9クラスの規模の大きな地震もある。震源は海溝なので陸地から遠いが、広い範囲で強く揺れることがある。東日本大震災は海溝型地震で、M9.0、北海道から関東まで広い範囲で大きな揺れを観測した。 
今回の熊本地震の原因は、「活断層」のずれ。「断層」とは地下の地層に力が加わってできた割れ目のことで、断層のなかで繰くり返し活動している(地震を起こしている)ものが活断層。つまり、地震を起こす可能性がある断層を活断層という。日本全国では2000以上の活断層が確認されている。
熊本地震で震度7を記録した4月16日の本震では、布田川断層帯と日奈久断層帯の2つの活断層が連動したことで強い揺れを起こしたと考えられている。また、今回の地震は、断層が水平方向に引っ張られるようにずれた「横ずれ断層型」だった。
九州中部は、大小の活断層が無数にある断層の巣なので、一つの断層がずれて力のバランスが崩れたことで、別の断層に力がかかり、次々に地震が起こった。どんな動きがあったか分析することで、詳しい地震のメカニズムも明らかになるはずだ。

 

 

ヒトの受精卵でも始まる「ゲノム編集」とは?

「ゲノム」とは、生物の遺伝情報のことだが、特殊な酵素などを使って特定の遺伝子を壊したり、別の遺伝子と置き換えたりする技術を「ゲノム編集」という。
最近では、遺伝子の情報をゲノム編集して、「収穫量の多いコメ」や「腐らないトマト」、養殖しやすい「おとなしいマグロ」など、いろいろな農作物や水産物、家畜などの品種改良をしている。これまで農作物などの品種改良は、突然変異などで偶然できたものを頼りに、長い年月をかけて改良してきたが、ゲノム編集なら、簡単な技術で短期間に、ねらった通りの改良を加えられる。
すでにいろいろな分野でゲノム編集が行われているが、4月22日、ついにヒトの受精卵のゲノム編集についても、政府の生命倫理専門調査会が条件つきで認める決定をした。受精卵で働く遺伝子を調べて遺伝子を操作することで、筋ジストロフィーなど、遺伝的な病気を予防できる可能性がある。
しかし、もしゲノム編集で操作した受精卵をヒトの子宮に戻して赤ちゃんを誕生させてしまうと、赤ちゃんやその子孫にどんな影響があるかはまだわからない。そのため、今回認められたのは基礎研究だけで、倫理面や安全面の心配から、操作した受精卵を子宮に戻す臨床利用は認められていない。思いもよらないことが起きた場合、取り返しのつかないことになるケースも考えられるからだ。
魚では、ゲノム編集によって大きく育つタイなども作り出されている。技術的には、ヒトもゲノム編集で、大きく成長するヒトや、いつまでも老化しないヒトなどを作れる時代になっているのかもしれない。
ゲノム編集は、病気の予防や治療などで大きな可能性のある画期的な技術。だが、使い方をまちがえてはいけない技術だ。研究者が暴走しないように、ルールを決めておく必要があるね。

2016年 SCIENCE CALENDAR

「人工知能」がトップ棋士を撃破

イギリスの人工知能(AI)開発企業がつくった囲碁ソフト「アルファ碁」が、世界トップレベルの韓国のプロ棋士と対局。囲碁は盤面が広く、将棋やチェスより展開が複雑なので、「人工知能」がトップレベルの棋士に勝つのは難しいと予想されていたが、アルファ碁が勝利した。

 

「エボラ出血熱」の緊急事態終了宣言

世界保健機関(WHO)は、西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネを中心に流行した「エボラ出血熱」について、2014年8月に出した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を終了したと宣言。この大流行で、約2万8600人が感染し、約1万1300人が死亡した。

 

海上に浮かぶ基地でのロケット「回収」に成功

アメリカの宇宙開発企業「スペースX」は、打ち上げたロケットのブースター(エンジン部分)を、海上に浮かぶ基地に着陸させて「回収」することに初めて成功。ロケットを回収・再利用できれば、打ち上げ費用をこれまでの100分の1にできるという。

 

温室効果ガスの排出量が5年ぶりに「減少」

環境省は、2014年度の国内の温室効果ガス排出量を約13億6400万tと発表。前年度より3.1%減り、5年ぶりに「減少」に転じた。電力消費が減ったこと、再生可能エネルギーが増加したことなどが理由。ただし、どちらもその年の天候の影響が考えられる。

 

伊方原発1 号機の「廃炉」を決定

四国電力は、来年、運転開始から40年を迎える伊方原発1号機(愛媛県伊方町)の「廃炉 」を決めた。これで、国内の商業用原発は42基に減少する。今後は、30年前後かけて原子炉の解体作業を進める予定で、廃炉にかかる費用は約400億円と見積もられている。

 

2050 年までに温室効果ガス「80%」削減

政府は、地球温暖化対策の計画を閣議決定し、2050年までに温室効果ガスの排出量を「80%」減らすという長期目標を掲げた。昨年末に採択された「パリ協定」では、今世紀後半には温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることが求められている。

 

「ジカウイルス」検出の新試薬を開発

田中貴金属工業は、ジカ熱を発症する「ジカウイルス」を検出できる新しい試薬を開発した。金の微粒子にジカウイルスに反応する性質を持たせたもので、血中から直接ウイルスを検出できるのは世界初。10〜15分と短時間で判定でき、早期の治療につなげられるという。

 

小学生が発見した化石は恐竜時代の「ほ乳類」

福井県勝山市の約1億2000万年前(白亜紀前期)の地層から、小型ほ乳類の化石が見つかったと発表された。恐竜が生きていた時代の「ほ乳類」の全身化石が出土したのは国内初で、進化を探る貴重な資料。この化石を2年前に発見したのは、発掘体験をしていた小学生だった。

 

ページの先頭に戻る