• eドリルを受講している人はこちら
  • 受講効果・目的
  • 受講システム
  • 充実のサポート
  • 費用・環境について
  • eドリルトップページ

eドリル トップページ > That's GAKU(2016年5月)

2016年5月

自然に関する慣用句はたくさんある

「並立」という言葉を知っていますか?国語辞典で意味を調べると、「二つ以上のものが対等に並ぶこと」とあります。文中で二つ以上の物事が対等に並んでいる場合、それを「並立の関係」といいます。
「今日の晩ごはんはサラダと鮭のシチューよ」と言われたら、「サラダ」と「鮭のシチュー」がテーブルに並ぶことを想像しますよね。
では、「今日の晩ごはんはミートボールと鮭のシチューよ」と言われたらどうでしょう。ある人は「ミートボール」と「鮭のシチュー」の二品がテーブルに並ぶことを想像するでしょう。ある人は「ミートボールも鮭も入ったシチュー」の一品のみを想像するかもしれません。
「ミートボールと鮭」がどのような関係にあるのかを正しく伝えなければ、聞く人によってとらえ方は変わってしまうということですね。

同じ慣用句でも国によって意味が違う!?

ミートボールがシチューとは別のメニューならば、「今日の晩ごはんは鮭のシチューとミートボールよ」とすると誤解を防ぐことができますね。このとき、「鮭のシチュー」と「ミートボール」は並立の関係にあります。
もし、ミートボールがシチューの具の一つであれば、「ミートボールと鮭とが入ったシチュー」と言うと正しく伝わります。この場合は「ミートボール」と「鮭」が並立の関係になります。
甘辛いミートボールが食べられると楽しみにしていたのに、実はシチューの具の一つだったとしたら少し拍子抜けですね。文章でも同じです。正しく表現し、読んだ人が勘違いしないようにすることが大切です。
では、次から、並立の正しい関係を見ていきます。今回は「公園の芝生」についての文章をもとに考えましょう。

 

わかりにくい文章(1)

それほど広くはないけれど、芝生が一面に植えられ、踏み固められた土やコンクリートとはまったくちがう、やわらかな感触がする。

解決策

言葉を補って並立の関係にしよう。

この文では、「踏み固められた」のが「土とコンクリート」の両方のようにも読み取れます。一般に、コンクリートは踏み固められるものではないと考えられています。ですから、取りようによっては、ちぐはぐとした印象の表現になってしまいます。
ここは、「踏み固められた土」と「コンクリート」とが対等になるように、コンクリートにも言葉を補って表現してみましょう。

わかりやすい文章(1)

それほど広くはないけれど、芝生が一面に植えられ、踏み固められた土や、冷たい印象のコンクリートとはまったくちがう、やわらかな感触がする。

わかりにくい文章(2)

よく手入れされ、ごみも落ちていないここなら、はだしで走ったり転がるのも平気だ。

解決策

「〜たり、〜たり」を正しく使おう。

二つ以上の動作を並立させるとき、「〜たり、〜たり」という表現を使うことがあります。本来はすべての動作に「〜たり」を使う必要があるのですが、最近では、この文のように、最初の動作にしか「たり」をつけない例も多く見られます。
意味が伝わらないこともありませんが、並立の関係として正しく表現しましょう。

わかりやすい文章(2)

よく手入れされ、ごみも落ちていないここなら、はだしで走ったり転がったりするのも平気だ。

わかりにくい文章(3)

「ここでボール遊びや自転車に乗ってはいけません」。

解決策

並立の関係を明確にしよう。

「ボール遊びや自転車に乗ってはいけません」でも意味はだいたいわかります。けれど、このままでは「ボール遊びと自転車」に「乗ってはいけない」ことになってしまいます。
正しく表現するために、「ボール遊び」と「自転車に乗ること」が並立の関係になるように工夫しましょう。

わかりやすい文章(3)

「ここでボール遊びをしたり、自転車に乗ったりしてはいけません」。

わかりにくい文章(4)

乱暴に踏みつけるとか、引っこ抜けば、芝生はだめになる。

解決策

「〜とか、〜とか」も正しく使おう。

さきほどの「〜たり、〜たり」と同様に、「〜とか、〜とか」でも並立の関係を表現することができます。芝生をだめにする原因である「乱暴に踏みつけること」に「引っこ抜くこと」の両方に「とか」をつけて並立させましょう。
「踏みつけたり、引っこ抜いたり」でも正しく伝わります。

わかりやすい文章(4)

乱暴に踏みつけるとか、引っこ抜くとかすれば、芝生はだめになる。

慣用句は場面を選んで効果的に使おう

「並立の関係が崩れていても、わかれば大丈夫」と考える人もいるでしょう。ですが、そこをおろそかにしていると、思わぬところで誤解を招くこともあります。普段から正しく表現する訓練をしておきましょう。
では、並立の関係を正しく整えた文章を読んでみましょう。

ぼくにはお気に入りの公園がある。それほど広くはないけれど、芝生が一面に植えられ、踏み固められた土や、冷たい印象のコンクリートとはまったくちがう、やわらかな感触がする。よく手入れされ、ごみも落ちていないここなら、はだしで走ったり転がったりするのも平気だ。
ところがある日、公園の前に立て札がたてられた。そこにはこう書いてあった。「ここでボール遊びをしたり、自転車に乗ったりしてはいけません」。ぼくの大好きな公園は、突然ぼくにとって遠い場所になった。
遊ばないなら何をすればいいのだろう。芝生に座って、ただぼんやりと空でもながめればいいのだろうか。乱暴に踏みつけるとか、引っこ抜くとかすれば、芝生はだめになる。でもぼくは、そんなことはしない。遊んでいてほり返してしまったら、ちゃんと元に戻す。そうすればまた根づくことを知っている。
今日もぼくは、公園の横を通り、芝生をながめた。誰もいない公園の芝生は青々と輝いているのに、どこかさびしげだ。「また来るね」。ぼくはそう言って、公園をあとにした。

細かな表現に気を配った文章は読みやすく、正しく伝わるものです。並立の関係を意識しながら、わかりやすい文章を書いていきましょう。

覚えておこう!

並立の関係を表現するには、並立の意味を表す助詞を使います。「〜たり、〜たり」、「〜とか、〜とか」もその一つです。ほかにも次のような表現があります。

「〜も〜も」
(例)私はコーヒーも紅茶も大好きです。
「〜なり〜なり」
(例)コーヒーなり紅茶なり、好きなほうを飲んでください。
「〜か〜か」
(例)コーヒーか紅茶か、どちらにするか迷ってしまいます。
「〜にも〜にも」
(例)コーヒーにも紅茶にもミルクを入れて飲みます。

ページの先頭に戻る