• eドリルを受講している人はこちら
  • 受講効果・目的
  • 受講システム
  • 充実のサポート
  • 費用・環境について
  • eドリルトップページ

eドリル トップページ > That's GAKU(2016年4月)

2016年4月

中南米で流行している「ジカ熱」って?

2月1日、世界保健機関(WHO)は、「ジカ熱」の流行について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
ジカ熱は、ジカウイルスを病原体とする感染症で、主にカが媒介する。感染しても8割の人は症状が出ないので、気づかないことも多い。発症すると発疹が出たり、熱が出たりするが、比較的症状は軽いため、これまではあまり危険だと思われていなかった。
ところが、昨年5月にブラジルで流行が始まると、10月以降、小頭症の新生児が4000人以上生まれた。ジカ熱が原因ではないかと考えられ、緊急事態となった。小頭症は、生まれつき頭部が小さく、脳の発達が不十分になる病気。視力が弱いなど目に異常が現れるケースも多い。そのため、特に妊婦への感染が危険なので、流行地域への渡航を控えるなど、感染拡大を防ぐ対策がとられている。
ブラジルで感染が報告されてから、8か月ほどで20以上の国や地域に感染が拡大。2月25日には、日本でも、ブラジルに滞在して帰国した高校生が感染していたことがわかった。ジカ熱は、性交渉でも感染することがあるが、主な感染ルートはウイルスを持ったカに刺されること。今のところ、ジカ熱に有効なワクチンや治療法はないので、カに刺されないことがいちばんの対策だ。今年はリオ五輪で流行地域を行き来する人が増え、夏はカの活動も活発になるため、日本での感染も懸念されている。

 

5年ぶりの再挑戦で成功!探査機「あかつき」金星軌道へ

金星探査機「あかつき」が、5年ぶりの再挑戦で金星の周回軌道に投入された。日本の探査機が地球以外の惑星の周回軌道に入るのは初めてだ。
「あかつき」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、2010年5月に打ち上げた金星探査機。その年の12月に金星の周回軌道への投入を予定していたが、主エンジンが故障してしまい、失敗。太陽を周回しながら再投入の機会を待っていた。燃料は打ち上げ時の3割しか残っておらず、すでに機体の設計寿命も超えているため、今回が最後のチャンスだった。
2015年12月7日、主エンジンが故障している「あかつき」は、姿勢制御用の小型エンジンを20分間噴射し、軌道を修正。9日には軌道投入に成功し、金星の重力圏にとらえられて衛星になったと発表された。
当初、投入が計画されていた軌道は、1周30時間の小さなだ円だったが、今回投入されたのは1周15日の大きなだ円。今後、1周8〜9日の軌道まで金星に近づき、4月以降に本格的な観測を始める。予定より金星の遠くを飛ぶ時間が長くなり、観測データの解像度は下がるが、長時間大気の動きを追跡できるという長所もある。
金星は地球の隣の惑星でありながら、地球とは環境が大きく異なっている。金星の上空では、自転よりも速い秒速100m以上の暴風が吹く「スーパーローテーション」という現象が起こっている。「あかつき」は、金星の表面を覆う濃硫酸の雲の構造を立体的に解析し、その原因を調べる。また、雷や火山活動なども観測して、なぜ金星の環境が地球と大きく異なるのか、その理由を調べていく予定だ。
主エンジンは壊れ、太陽からの強い熱(地球付近の2倍)にも傷つけられている「あかつき」だが、観測を続けて、使命を果たしてもらいたいね。

 

日本で合成された新元素「原子番号113番」

理化学研究所(理研)のチームが、2004年に合成した新元素「原子番号113番」が国際学会で認められ、12月31日、元素に名前をつける権利を獲得した。アジアで初の快挙だ。
元素とは、水素や酸素、鉄や金など物質を構成している基本的な要素。1869年にロシアのメンデレーエフが元素を重さの順に並べ、化学的性質の似たものが同列にくるように縦横に配置した周期表を作成した。この周期表に、日本で命名された新元素が加わることになる。
自然界に存在する元素は、原子番号1番の水素から92番のウランまで。それ以外の元素は、実験で人工的に合成されたもの。理研が発見した113番も、原子番号30番の亜鉛を原子番号83番のビスマスに光速(秒速約30万q)の10%まで加速してぶつけ、合成に成功したものだ。
しかし、113番は、理研より7か月早く、アメリカとロシアの研究チームが発見を報告していたため、どちらに命名権があるか10年も争われてきた。
理研に命名権が与えられた理由は、データの確実性が高かったからだ。人工的に合成された元素は不安定なので、すぐに崩壊を起こして軽い元素に変わってしまう。113番も平均0.002秒で別の元素へと崩壊する。そのため、確かに新元素ができたと証明するには、崩壊を繰り返して、すでに知られている元素になる過程のデータを示すことがポイントだった。
アメリカとロシアのチームは、数十回合成できたと報告したが、崩壊して別の元素になる過程を確認していなかった。一方の理研は、合成できたのは3回だったが、崩壊して既知の元素になるまでのデータがあり、根拠が明確だった。理研のチームが新元素を発見するまでの約9年間の実験で、ビスマスに亜鉛をぶつけた回数は垓(1兆の1億倍)の単位だという。そのなかで113番ができたのはわずか3回。新しい発見のためには、粘り強い挑戦が必要なんだね。

 

京都議定書に代わる「パリ協定」の目標は?

パリで開かれた「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)」で、「パリ協定」が採択された。
パリ協定は、国連気候変動枠組条約に加盟する196か国・地域すべてが参加し、2020年以降に実行する地球温暖化対策の枠組み。1997年に採択された「京都議定書」以来、18年ぶりの新しい枠組みだ。
パリ協定の目標は、産業革命前からの気温の上昇を2度未満に抑えることで、1.5度に向けて努力することになった。また、今世紀後半には、温室効果ガスの排出を森林などによる吸収分と相殺して実質ゼロにすることも目指している。
目標達成のため、各国・地域には、国連に温室効果ガスの削減目標を提出し、対策を実施することを義務づけた。また、目標は必ず5年ごとに見直し、古い目標を上回る新しい目標を提出することになっている。
京都議定書では、温室効果ガスの削減を先進国だけに求めたが、パリ協定では、途上国を含むすべての条約締約国が取り組むことになった。
このパリ協定が発効するには2つの条件がある。条約締約国の55か国以上が批准することと、批准した国の温室効果ガスの排出量の合計が、世界全体の55%以上になることだ。排出量の合計を条件に入れたのは、排出量の多い国を離脱させないため。
各国の二酸化炭素排出量の世界全体に占める割合(2013年)は、1位の中国が28.0%、2位のアメリカが15.9%、3位のインドが5.8%で、この3か国で全体の約半分になる。
しかし、京都議定書では、中国とインドは途上国のため参加しておらず、アメリカも議会の支持が得られず、批准しないまま離脱してしまった。
その結果、京都議定書で削減義務を負った国の排出量は世界全体の3割にも満たなかった。それでは効果が期待できないため、パリ協定では排出量の多い国の参加を求めている。

 

2015年 SCIENCE CALENDAR

「マンボウ」が絶滅危惧種に

国際自然保護連合(IUCN)が、最新版の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)を発表し、「マンボウ」が絶滅危惧種に加えられたことがわかった。絶滅危惧種の3ランクのなかでは最も絶滅の危険が少ないランクだが、乱獲により、世界的に個体数が減っている可能性が高い。

 

改良「H2A」ロケットで初の商業衛星打ち上げ

カナダの通信・放送衛星を載せて、「H2A」ロケット29号機が打ち上げられた。商業衛星の打ち上げは、国産ロケットで初めて。衛星を軌道近くまで運べるように、H2Aの第2段ロケットを改良。衛星が軌道に入るまでの燃料が節約でき、これまでより衛星の寿命が長くなった。

 

 

「はやぶさ2」リュウグウへ旅立ち

2014年12月に打ち上げられ、地球の軌道を回っていた探査機「はやぶさ2」は、地球の重力と公転を利用して加速するスイングバイを実施し、地球を離れて、目的の小惑星「リュウグウ」へ向かう軌道に入った。「リュウグウ」へは、2018年夏の到着を目指している。

 

 

世界の気温が「過去最高」を更新

気象庁は、2015年の世界の平均気温が、平年を0.4度上回り、1891年の統計開始以来、「過去最高」になると見通しを発表した。世界の平均気温が過去最高を更新するのは2年連続。100年あたりの気温の上昇は、世界が0.71度。日本は1.16度と、世界平均より高い。

 

 

2016年 SCIENCE CALENDAR

「エボラ出血熱」リベリアで終息宣言

世界保健機関(WHO)は、西アフリカのリベリアで、「エボラ出血熱」の感染が終息したと宣言。エボラ出血熱は2年にわたってリビア、シエラレオネ、ギニアを中心に感染が広がり、1万1000人以上の死者を出した。ギニア、シエラレオネでも、すでに終息宣言が出ている。

 

 

「第9惑星」が太陽系に存在?

カリフォルニア工科大学のグループが、太陽系に「第9惑星」が存在する可能性があると発表。実際に観測されてはいないが、6個の小さな天体の動きから、未知の大きな惑星の重力を受けていると推定した。惑星が存在するのは太陽系の最も外側で、公転の周期は1〜2万年。

 

 

 

「水俣条約」で環境汚染を防止

政府は水銀の使用や取引を国際的に規制する「水俣条約」を締結した。水銀は水俣病の原因となった物質で、深刻な環境汚染や健康被害を引き起こす。条約では、2020年までに体温計や電池など9種類の水銀使用製品の製造・輸出入を原則禁止し、水銀の輸出入も規制する。

 

 

脱毛が起こる原因は「17 型コラーゲン」不足

東京医科歯科大学のチームが、脱毛が起こるしくみを解明。年を取るにつれ、毛髪の根元の毛包を作る幹細胞が衰えて毛が失われていくが、この現象は幹細胞の機能を保つたんぱく質「17型コラーゲン」の不足で起こることがわかった。今後、脱毛を防ぐ薬の開発につなげたいという。

 

 

ページの先頭に戻る