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eドリル トップページ > That's GAKU(2016年3月)

2016年3月

世界に誇れる技術やサービス

国産ジェット旅客機「MRJ」初飛行成功

2015年11月11日、初飛行の旅客機が名古屋空港を飛び立った。「三菱航空機」が製造した国産ジェット旅客機「MRJ」だ。国産旅客機の初飛行は、「YS-11」以来53年ぶり。旋回や上昇下降を繰り返し、1時間半の試験飛行を終えて無事着陸。初飛行は大成功だった。
「MJR」は「三菱リージョナルジェット」の略。「リージョナル」とは「地域の、地方の」といった意味で、「リージョナルジェット」は大陸間を飛ぶような長距離用大型機ではなく、都市間を飛ぶような短距離用小型機。「MRJ」の座席数は70〜90席で、航続距離は3770km。東京とマニラ(フィリピン)やハノイ(ベトナム)を結ぶ距離だ。他社機より燃費が2割以上向上し、操縦性も優れ、騒音も少なく、客室内のスペースも広め。価格は50〜60億円だが、すでに国内外の航空会社から400機以上を受注している。
しかし、ここまで来るには苦難の道があった。当初、2011年末の初飛行を予定していたが、想定外の課題やトラブルが見つかり、5回の延期で4年遅れとなった。それもこれも、国産旅客機製造が半世紀ぶりという“長い空白”があったためだ。 
日本は、第二次世界大戦まで、航空機開発では高い技術を誇り、「零式艦上戦闘機(ゼロ戦)」などの優れた軍用機を開発してきた。だが、敗戦により航空機の開発や製造を禁止され、旅客機の開発競争に遅れをとった。
1952(昭和27)年に禁止令が解除されてから、日本の航空機製造技術の総力をあげて開発したのが、国産旅客機「YS-11」だった。1962(昭和37)年、初飛行に成功したYS-11は飛行性能のいい名機だったが、約10年で生産中止となった。
航空機は、大型機だと部品数が約300万点。「MRJ」クラスの小型機でも約100万点。自動車の部品、約3万点と比べても数が多く、機体やエンジン、飛行制御装置、座席やトイレに至るまで、部品を製造する航空機産業は裾野が広い。大手企業だけでなく、技術を持つ中小企業にもチャンスが多い産業だ。
政府も産業の育成のため、国産旅客機の開発を後押ししようと、2003年に経済産業省が中心となり、官民共同で小型旅客機の開発プロジェクトをスタートさせた。その成果を三菱重工業が引き継ぎ、2008年に「三菱航空機」を設立。その会社の第一号機となったのが「MRJ」なのだ。

航空機部品の製造では日本メーカーに実績

国産旅客機の製造に50年のブランクがあったとはいえ、航空機部品の製造では、日本のメーカーにも実績がある。
ボーイングの主力機「777」は部品の21%が日本製。最新機「787」はさらにその割合が高く、35%が日本製。「MRJ」の親会社「三菱重工業」は主翼部分を製造。「準国産ジェット旅客機」ともいわれる。
座席100席未満のリージョナルジェットは、今後20年で5000機の需要が見込まれる。現在は、ブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアの2社の競争だが、「MRJ」は半分の2500機の受注を目指す。「MRJ」の納入までには、2500時間の試験飛行が必要で、納入開始は2018年半ばになる予定だ。
「MRJ」より一足先に、「ホンダ」の航空機事業子会社が開発したビジネスジェット「ホンダジェット」は、2015年12月から納入を始めている。
世界の航空機は、2033年までに、現在の2倍の3万機になると予想される。高い技術を生かせる航空機製造も、メイドインジャパンの“ものづくり”の柱になっていきそうだね。

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