• eドリルを受講している人はこちら
  • 受講効果・目的
  • 受講システム
  • 充実のサポート
  • 費用・環境について
  • eドリルトップページ

eドリル トップページ > That's GAKU(2015年9月)

2015年9月

若者言葉はまちがった言葉?

「私は頭が痛い」という文があったら、どういう様子を思い浮かべるでしょうか。ほとんどの人が、「体調が悪く、頭痛を起こしているのだな」と想像しますね。
では、「来月のテストのことを考えると頭が痛い」と書いてあったらどうでしょう。この場合の「頭が痛い」は、文字どおりの頭痛のことではなく、「心配ごとがあって悩むこと」という意味になります。
このように、二語以上が結びつき、全体で特定の意味を表す言葉を「慣用句」といいます。
もう一つ、例をあげてみましょう。「腕を上げる」という慣用句です。「棚にしまってある物を取るため、腕を上げた」のように動作を表す場合もありますが、「練習を重ねてバッティングの腕を上げた」などと慣用句として使った場合は、「技術が進歩すること」を意味します。

「話し言葉」と「書き言葉」

「同じ言葉に意味が二つあるなんて、ややこしい」と思う人もいるかもしれません。けれど、正しく意味を理解したうえで慣用句を活用すれば、文章を書く場合でも、会話で話す場合でも、こなれた表現になります。
たとえば、「あの人はがんこで、新しいものや新しい考えを受け入れようとしない人だ」と長く説明するよりも、「あの人は頭が固い」と慣用句を使って表現したほうが、その人物のことを簡潔に、より的確に伝えることができますね。
慣用句はたくさんあります。意味を覚えて、積極的に使ってみてください。
では、次のページから、慣用句を使うとどれほど読む人にわかりやすく伝わるようになるか、見ていきましょう。今回は「修学旅行の思い出」についての文章をもとに考えていきます。

わかりにくい文章(1)

それは待ちに待った修学旅行で、私はずいぶん前から楽しみにしていました。

解決策

「胸をふくらませる」を使ってみよう。

「楽しみにしていた」だけでも、意味は十分に通ります。けれど、「待ちに待った」ことを受けて、どのくらい楽しみにしていたかがうかがえる表現があると、さらにわかりやすい文章になります。ここは「胸をふくらませる」という慣用句を使ってみましょう。わくわくして待っていた様子が目に浮かぶようになります。

わかりやすい文章(1)

それは待ちに待った修学旅行で、私はずいぶん前から期待に胸をふくらませていました。

わかりにくい文章(1)

私は友だちと「何度も聞いたよね」とささやき合いました。

解決策

「耳にたこができる」を使ってみよう。

同じことを何度も聞かされることを表す慣用句は「耳にたこができる」です。この慣用句を使うことで、先生の注意を「何度も聞いた」という事実だけでなく、同じことを繰り返されてうんざりしたという気持ちまでもが伝わるようになります。
ちなみに、ここでいう「たこ」は何をさしているか、わかりますか。
八本足のタコではありません。字を書き続けると指にできる「たこ」のことです。何度も聞きすぎて、耳に「たこ」ができると皮肉をこめた言葉なのですね。

わかりやすい文章(1)

私は友だちと「耳にたこができそうだね」とささやき合いました。

わかりにくい文章(3)

お堂の中のひんやりした空気、黄金色、そして千体の観音様。その静かな迫力に、私は見とれてしまいました。

解決策

「目を奪われる」を使ってみよう。

ここでは「目を奪われる」を使ってみましょう。「目を奪われる」とは、何かに見とれてほかのものが目に入らない様子です。
最初はあまり興味がなかった三十三間堂だったのに、実際にお堂へ入ったところ、感動して夢中で見入ってしまったのです。この慣用句によって、そうした心の大きな変化が読む人に伝ここでは「目を奪われる」を使ってみましょう。「目を奪われる」とは、何かに見とれてほかのものが目に入らない様子です。最初はあまり興味がなかった三十三間堂だったのに、実際にお堂へ入ったところ、感動して夢中で見入ってしまったのです。この慣用句によって、そうした心の大きな変化が読む人に伝わります。

わかりやすい文章(3)

お堂の中のひんやりした空気、黄金色、そして千体の観音様。その静かな迫力に、私は目を奪われました。

わかりにくい文章(4)

お堂の中のひんやりした空気、黄金色、そして千体の観音様。その静かな迫力に、私は目を奪われました。その様子は、今でも覚えています。

解決策

「脳裏に焼きつく」を使ってみよう。

「今でも覚えている」という表現でも、その光景が記憶に残っていることは伝わります。ただ、どの程度の記憶なのかまではわかりません。
そこで、「脳裏に焼きつく」という慣用句を使ってみましょう。これなら鮮明に記憶していることが伝わります。
「脳裏」を使った表現には、「脳裏に刻まれる」「脳裏から離れない」などもあります。いずれも、どれほど強く記憶に残っているかを読む人に印象づけることができます。

わかりやすい文章(4)

お堂の中のひんやりした空気、黄金色、そして千体の観音様。その静かな迫力に、私は目を奪われました。その様子は、今でも脳裏に焼きついています。

今の「正しさ」をもとに作文を書こう

「歯が立たない」「鼻が高い」「後ろ髪を引かれる」など、慣用句は意外とよく耳にしますし、実際に使ったことのある人もいるでしょう。よく見ると、体の一部が使われた表現が多いことに気づきます。それによって、その場の様子を簡潔に表現できるのですから、慣用句は便利で楽しいものですね。
では、慣用句を使って書き直した文章を読んでみましょう。

十一月のある日、私たちは京都へ向かいました。それは待ちに待った修学旅行で、私はずいぶん前から期待に胸をふくらませていました。二日目は三十三間堂を拝観しました。先生が何度も「お寺の中では静かにすること」と注意をするので、私は友だちと「耳にたこができそうだね」とささやき合いました。今回の旅行で楽しみにしていたのは、友だちと一緒に過ごすことだったので、正直に言えば、お寺には興味がありませんでした。だから、三十三間堂についても、早く見学が終わればいいのに、などと考えていました。
ところが、中へ入り、千体千手観音立像を見たとき、私の気持ちは大きく変わりました。お堂の中のひんやりした空気、黄金色、そして千体の観音様。その静かな迫力に、私は目を奪われました。その様子は、今でも脳裏に焼きついています。
今回の修学旅行で、歴史あるものに出合うことのすばらしさに気づくことができました。

心の様子やその場の状況がよく伝わる文章になりましたね。慣用句を効果的に使って、わかりやすい文章を書いていきましょう。

覚えておこう!

「顔」「目」「手」「足」を使った慣用句をあげてみます。体の ほかの部位を使った慣用句も調べてみましょう。

「顔が広い」交際範囲が広く、知人が多いこと。
(例) 彼は顔が広いから、あの人とも知り合いかもしれない。
「顔に泥を塗る」恥をかかせたり、名誉を傷つけたりすること。
(例) 親の顔に泥を塗るようなことはするな。
「目に余る」程度がひどすぎて、黙って見ていられないこと。
(例) 彼の強引なやり方は目に余る。
「目をつぶる」欠点などを見ないふりをしてとがめないこと。
(例) がんばったのだから、これくらいの失敗には目をつぶろう。
「手も足も出ない」自分の力をはるかに超えていて、何もできないこと。
(例) 相手が強すぎて、手も足も出なかった。
「二の足を踏む」決断がつかず、ためらうこと。しりごみすること。
(例) その激流を下ることには、誰もが二の足を踏んだ。

ページの先頭に戻る