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eドリル トップページ > That's GAKU(2015年7月)

2015年7月

人間の動きを補助する「ロボットスーツ」

 農産物直売所を運営する茨城県つくば市の農業法人「みずほ」は、2014年4月に新しく直売所をオープンさせた。人気の農産物直売所は多く、今どき珍しくはないが、その場所がタイのバンコクと聞けば、ちょっとびっくりするだろう。そこで売られているのは、茨城県の約50戸の農家で栽培された野菜や果物だ。
 茨城産の梨は1個600円。現地で売られている中国産の梨の約5倍の値段。人気のメロンは3000円で、地元産の約6倍。それでも常連のお客さんが増え、口コミで新しいお客さんも訪れるという。タイの人が日本の農産物を買うのは、見た目もきれいでおいしく、安全だから。品種改良や栽培の技術が優れているからこそ、値段が高くても売れるのだ。
 バンコクのデパートでも、青森産のリンゴが1個300〜400円、岡山産の桃が1個1500円といった高額で売られている。中国産やニュージーランド産の4〜6倍以上の値段だが、ここ5年ほどでよく売れるようになったという。国民の所得が増え、富裕層が増加したことや、日本へ旅行した人が、日本の野菜や果物のおいしさを知り、買い求めるようになっている。

 それ以前は、流通がスピーディにはいかなかったので、その分、鮮度も落ちていて、売れ行きもよくなかった。けれども、最初に紹介したバンコクの農産物直売所では、茨城で収穫したトマトやイチゴ、メロンなどを、深夜の航空便で運び、輸出している。そのため、収穫翌日の午後には店頭に並べられるのだ。価格は高いが、品質や鮮度は日本国内で売られているものと変わらない。
 しかも、日本人スタッフが現地へ出向き、おいしさや食べ方を紹介しているので、トマトを生で食べる習慣がないタイでも、生でおいしい日本のトマトを直接すすめることができる。また、日本の行き届いたサービスも取り入れて、注文の品を時間通りに宅配し、喜ばれているという。この直売所では、高級レストランなどへも売り込みを続け、さらに販路を広げている。
 和食ブームも追い風になって、アジアを中心に日本の農産物への関心は高まっている。そのため、これまで日本の農産物はあまり扱ってこなかった大手商社も、積極的に売り込みを始めた。丸紅は青森産のリンゴを台湾に輸出し、香港や中国には、テレビの通信販売で米や野菜、果物などを売る計画があるという。伊藤忠商事の子会社は、北海道産の夕張メロンを香港に輸出。三井物産は、桃、ブドウ、メロンなどをシンガポールや香港に輸出し始めた。現地に拠点や販売網を持っている商社なら、販路も拡大しやすい。日本産の農産物は、ますます輸出量が増えそうだ。

「人型ロボット」で
認知症予防

 宮城県山元町はイチゴの産地。農業生産法人「GRA」は、東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けたあと設立され、IT(情報技術)を活用したイチゴのハウス栽培に成功した。コンピュータでハウス内の温度や湿度、光合成を促す二酸化炭素の濃度などを管理し、糖度15度で、甘みと酸味のバランスがいい「ミガキイチゴ」を開発した。ミガキイチゴは、香港でも販売が始まっている。インドでは現地栽培に成功し、ムンバイに販売店を開店した。日本で開発した最先端の栽培技術を輸出し、農産物を海外で生産する企業もこれから増えそうだ。
 高級イチゴの栽培に取り組む農業ベンチャー「いちごカンパニー」(新潟県胎内市)は、LEDライトでイチゴを育てる「植物工場」(左下コラム参照)で、独自の栽培方法を開発。完全閉鎖型の植物工場は、建物の中なので、気象に関係なく一年中野菜や果物が生産できる。海外の会社からも栽培システムの問い合わせがあるという。大手電機メーカー各社も、自社の技術を生かして、ITを使った栽培管理や植物工場での農産物の栽培に取り組み始めている。ドバイでイチゴ栽培の実験をしているシャープのように、現地での栽培を考えている企業もある。日本の最先端の栽培技術も、世界に誇れる技術になりつつある。

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