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eドリル トップページ > That's GAKU(2015年5月)

2015年5月

若者言葉はまちがった言葉?

「バイト敬語」という言葉を知っていますか。これは、コンビニエンスストアやファミリーレストランなどでアルバイトをする店員がお客に対してよく使う表現のことです。「コンビニ敬語」「ファミレス敬語」などとも呼ばれています。たとえば、次のような表現です。どこが「バイト敬語」か、わかりますか。
「お水のほうはいくつお持ちいたしましょうか」 
これは、お客に対して、より丁寧に接しようという気持ちの表れであり、聞き慣れてしまえば違和感のない表現かもしれません。ただ、文として考えると、不要な言葉が気になります。
本来ならば、「お水はいくつお持ちいたしましょうか」とするのが正しい表現です。

「話し言葉」と「書き言葉」

「バイト敬語と文章を書くことに何の関係があるの?」と思う人もいるでしょう。もちろん、文章を書くときに「お水のほうはいくつ〜」などとすることはまずありません。けれど、バイト敬語の悪い面を知っておくと、わかりやすい文章を書くためのヒントになるのです。
たとえば、「お水は」と書けばすむところを、「お水のほうは」とすると、どことなくあいまいな印象になります。また、放課後の過ごし方を文章にするとき、「テニスの練習のほうをする」と書けば回りくどく感じられます。ここは、「テニスの練習をする」で十分です。簡潔な表現がわかりやすい表現なのです。
このように、丁寧に表現しようとするあまり、過剰に言葉を加えてしまい、それが不要だったり誤りだったりすることは少なくありません。
では、次のページから、間違えやすい過剰表現を見ていきましょう。今回は「親切にしてもらったこと」についての文章をもとに考えていきます。

わかりにくい文章(1)

先日、バドミントン部の練習試合が、市のスポーツセンターのほうで行われた。

解決策

不要な言葉を使わないようにしよう。

方角や方向を示すためならば、「〜のほう」という言葉はもちろん必要です。どこかははっきりとしておらず、「山のほうで大きな音がした」という場合、「のほう」を省くことはできません。
けれど、「市のスポーツセンター」と場所が特定できている場合には、「のほう」を加える意味がありません。削りましょう。

わかりやすい文章(1)

先日、バドミントン部の練習試合が、市のスポーツセンター行われた。

わかりにくい文章(2)

そんな私たちを見かねたスポーツセンターの方が、「今日は暑すぎるから」とおっしゃられ、会議室にご案内してくださった。

解決策

二重敬語にならないようにしよう。

相手への敬意を確実に表現したいからと、敬語を重ねて使うのは間違いです。
「おっしゃった」という敬語と、「〜れる・られる」という敬語は、同時には使えません。ここは、「おっしゃった」としましょう。
また、「ご〜する」は謙譲語です。目上の人に案内してもらうのであれば、「ご案内くださる」あるいは「案内してくださる」としましょう。

わかりやすい文章(2)

そんな私たちを見かねたスポーツセンターの方が、「今日は暑すぎるから」とおっしゃり、会議室にご案内くださった。

わかりにくい文章(3)

そこで、私たちも相手チームの人たちも、その部屋を控室として使わさせてもらった。

解決策

「さ入れ言葉」に注意しよう。

丁寧に表現しよう、相手に失礼のないようにしようとするあまり、どんな言葉にも「〜させてもらう」「〜させていただく」と、「〜させて」をつけ加えてしまうことがあるようです。前の動詞が五段活用の場合は「〜せて」、それ以外の動詞には「〜させて」をつけるのが決まりです。
たとえば「見る」であれば、上一段活用の動詞なので「見させてもらう」と「さ」が必要になります。「使う」は五段活用なので「使わせてもらう」が正しく、「さ」を必要としません。不要な「さ」を入れてしまう「さ入れ言葉」にならないようにしましょう。

わかりやすい文章(3)

そこで、私たちも相手チームの人たちも、その部屋を控室として使わせてもらった。

わかりにくい文章(4)

その部屋は冷房がきいて涼しく、落ち着いて水を飲めれるので、試合の合間に身体を休められた。

解決策

「れ足す言葉」にも気をつけよう。

可能の意味を表すときには、多くの場合、動詞に「れる」や「られる」をつけます。たとえば「走る」は「走れる」、「起きる」は「起きられる」となります。
では、「飲む」はどうなるでしょう。「れる」「られる」の形につられて、つい「飲めれる」としてしまう人はいませんか。ここは、「飲める」が正しい表現です。
不要な「れ」を入れてしまう「れ足す言葉」を使わないようにしましょう。

わかりやすい文章(4)

その部屋は冷房がきいて涼しく、落ち着いて水を飲めるので、試合の合間に身体を休められた。

今の「正しさ」をもとに作文を書こう

過剰表現を避け、「さ入れ言葉」や「れ足す言葉」にも注意して……。言葉にはたくさんのルールがあり、正しく使うのは難しいものです。 
実は、夏目漱石が書いた『二百十日』という小説の中に、次のような一節があります。
「そうさな。謝らさす事が出来れば、謝らさす方がいいだろう」
この表現は、どこかの方言かもしれません。ただ、そうではないとすると、かの文豪でも「さ入れ言葉」を使っていたのですから、正しく表現することの難しさを改めて感じますね。
では、誤った表現をなくした文章を読んでみましょう。


先日、バドミントン部の練習試合が、市のスポーツセンターで行われた。その日は猛烈に暑く、一つ試合を終えるだけで誰もがぐったりしていた。そんな私たちを見かねたスポーツセンターの方が、「今日は暑すぎるから」とおっしゃり、会議室にご案内くださった。
そこで、私たちも相手チームの人たちも、その部屋を控室として使わせてもらった。 その部屋は冷房がきいて涼しく、落ち着いて水を飲めるので、試合の合間に身体を休められた。
スポーツセンターに迷惑をかける形にはなったが、その部屋を使ったおかげで、試合に出場した生徒たちはみな暑さに負けず試合を続けることができた。あのときの親切を私は忘れない。

不要な言葉がなくなって、わかりやすい文章になりました。正しい表現で、読む人が理解しやすい文章を書くよう心がけましょう。

覚えておこう!

言葉の頭に「お」をつけて丁寧に表すことがあります。これも敬語の一つです。「お名前」などがその例です。ただし、どんな言葉にも「お」をつければ丁寧になるわけではありません。つけることでかえっておかしく感じられることもあります。 
今回は、「お」をつけてはいけない例、つけないとわからない例をあげてみます。覚えておきましょう。

「お」をつけてはいけない言葉
@ 外来語 
  「× おピアノ」「× おコーヒー」
A 公共の建物や施設
  「× お学校」「× お電車」
B 動物や植物
  「× お猫」「× お桜」

「お」をつけないとわからない言葉
「おてんば(御転婆)」→「× てんば」
「おてだま(御手玉)」→「× てだま」
「おみおつけ(御御御付け)」→「× つけ」

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