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eドリル トップページ > That's GAKU(2015年3月)

2015年3月

人間の動きを補助する「ロボットスーツ」

 今、医療や介護の現場で求められているのは、何でもできる夢のロボットではない。機能が絞られていて、実際に病院や施設、家庭などで利用できる低価格で実用的なロボットだ。すでに実用化されているものもある。
 茨城県のつくばにあるサイバーダインというベンチャー企業が開発したのは、体に装着して使うタイプの「ロボットスーツHAL(ハル)」。HALは、人が体を動かそうとするときに、脳から神経を通って筋肉へ伝わる電気信号の一部をセンサーで検出し、その情報をもとにモーターを動かして腰やひざなどの曲げ伸ばしを補助する。つまり、体の動きに反応して、体を動きやすくサポートするロボット。
 このHALは、下肢(脚)用、腰用などいくつかのタイプが開発されているが、国内でレンタルが始まっているのは下肢用。これを足の不自由な人が装着すれば、歩くのを補助してくれる。歩行が困難な人が、リハビリやトレーニングのために利用すれば、身体機能の改善に役立つという。国内では、昨年の夏までに約170の病院や施設で約400台がトレーニング用として導入された。ドイツでは、脳卒中などで運動機能が麻痺した患者向けの医療用として認証され、治療に使われている。

 腰用のHALも、二つのタイプを実用化に向けて開発中。一つは重い荷物を持ち運ぶ作業支援用で、もう一つは介護で人を抱えたりするための介護支援用だ。介護の現場では、人を抱きかかえてベッドや車いすなどへ移動させる場面が多く、介護する人が腰を痛めるケースが多い。それが原因で、介護の仕事を続けられなくなる人も出ているが、HALを着用すれば、その心配もなくなる。少ない力で重いものを持ち上げられるので、小柄な女性が体格のいいお年寄りを介護することも簡単になる。少子高齢化が進む日本では、介護を支援してくれるロボットスーツの技術もニーズが高まる。
 ほかの企業も、センサーやモーターなどの最新技術を駆使した装着用ロボットの開発を進めている。
 パナソニックの「アシストスーツ」は、ものを持ち上げたり下ろしたりする際の腰の負担を約15kg軽くしてくれる装着用ロボット。背中に背負うように装着するリュック型で、センサーが体の動きを検知し、モーターが作動する。
 ホンダの「歩行アシスト」は、人型ロボットの「アシモ」に使われている技術を応用し、より楽に、より速く歩けるようサポートしてくれる装着用ロボット。歩く時の股関節の角度をセンサーが感知し、モーターがアシストして歩幅を広げ、歩幅と歩行のリズムを調整してくれる。リハビリセンターでの実証実験も始まっていて、杖に頼らず、ロボットを装着して、さっそうと歩く高齢者の姿を見かける日も近いかもしれない。
 ロボットがサポートするのは、運動機能だけではない。会話ができる「人型ロボット」は、脳の活性化に役立ち、認知症の予防に効果が期待されている。

「人型ロボット」で
認知症予防

 ロボットがサポートするのは、運動機能だけではない。会話ができる「人型ロボット」は、脳の活性化に役立ち、認知症の予防に効果が期待されている。
 横浜にある富士ソフトが2010年に開発した「パルロ」は、高さ40pほどの人型ロボット。人工知能を搭載していて100人以上の顔と名前を覚えられる。それだけでなく、過去のその人との会話も記憶でき、ダンスも踊ったりと芸達者だ。パルロは全国約150か所の高齢者福祉施設に導入されていて、多くの高齢者が会話やゲームを楽しむ“いやしロボット”になっているという。
 人型ロボットでよく知られているのは、ソフトバンクのCMにも出演している「Pepper(ペッパー)」。Pepperは人の感情を認識できる世界初の人型ロボット(「オンリーワンの技術」参照)。IT技術を駆使していて、いつもインターネットに接続されているので、最新のニュースや天気などを教えてくれる。また、クラウドネットワークの膨大な会話データベースともつながっており、幅広い話題の会話ができる。販売価格も19万8000円と家庭でも購入できそうな金額。『鉄腕アトム』のような人型ロボットが独り暮らしの高齢者の家にいて、家族のように会話をし、介護もしてくれる時代が、もうそこまで来ているようだ。

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