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eドリル トップページ > That's GAKU(2014年12月)

2014年12月

インドがアジア初の快挙!火星探査機「マンガルヤーン」

 近年、宇宙開発に力を入れているインドが、アジア初の快挙を成し遂げた。無人探査機を火星の周回軌道に乗せたのだ。
 インド宇宙研究機関が、2013年11月に打ち上げた火星探査機「マンガルヤーン」は、10か月の飛行ののち、2014年9月24日、火星の周回軌道に到達した。
 火星探査は、これまでにアメリカ、欧州、ロシア(旧ソ連)が成功させている。しかし、アジアでは日本が1998年に「のぞみ」を打ち上げたが火星軌道投入に失敗、中国が2011年に「蛍火1号」を打ち上げたが地球軌道離脱に失敗していて、火星の軌道投入に成功したのはインドが初めて。
 それだけでなく、火星探査に成功しているアメリカも、打ち上げた21機の火星探査機のうち成功は15機、ロシアも18機のうち成功は2機だけで、失敗からのスタートだった。インドのモディ首相は、「インドは初挑戦で成功した唯一の国」と快挙を強調した。
 しかも、「マンガルヤーン」の開発費は約80億円で、アメリカの火星探査機「メイブン」(この3日前の9月21日に火星に到達)の約9分の1。小型化、軽量化などでコストを抑えている。
 インドの火星探査の最大の目的は鉱物資源の確保。将来、火星に眠っている鉱物資源を利用できるように、「マンガルヤーン」は軌道を周回しながら、火星の表面の状態や鉱物の有無を調査する計画だ。

世界で初めて実施!「iPS細胞移植手術」

 ついにiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った細胞を人間の体に移植し、病気の治療ができる日が来た。9月12日、iPS細胞から作った目の網膜の細胞を、加齢黄斑変性という病気の患者に移植する世界初の「iPS細胞移植手術」が日本で行われた。
 加齢黄斑変性は、網膜の中央の黄斑という組織が傷んで、老廃物がたまった異常な血管ができ、視野の中央がゆがんだり、黒く欠けて見える病気。今回、手術を受けた70代の女性は、症状を食い止める注射を何度も受けたが効果がなく、徐々に視力が落ちていた。
 移植したiPS細胞は、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらが作製したもの。移植する女性本人の腕から採取した皮膚細胞に6種類の遺伝子を組み込んでiPS細胞を作製。それに特殊なたんぱく質を加えて網膜の一部である網膜色素上皮に変化させ、シート状に培養。長さ3o、幅1・3oの短冊形に加工して移植した。皮膚細胞の採取から細胞シートの加工までに約10か月かかった。
 手術は、目の表面に穴をあけ、傷んだ網膜や異常な血管を取り除き、iPS細胞から作った細胞シートを貼りつけるもので、2時間ほどで無事終了。女性は経過も順調で、「手術直後から明るく見えるようになった。思い切って手術を受けてよかった」と話しているという。
 iPS細胞はがんになりやすいといわれているので、今後もがん化していないか経過観察をし、視力の回復状況を調べていく。
 日本のiPS細胞の技術は世界の最先端。京都大学の山中伸弥教授がマウスのiPS細胞を作製し、発表してから8年で、iPS細胞の移植手術ができるまでになった。傷ついたり、機能を失った体の組織を修復する治療を再生医療というが、iPS細胞は体のさまざまな細胞に変化させられるので、いろいろな再生医療に使える。今後数年のうちに、国内の研究機関で、iPS細胞を使ってパーキンソン病や脊髄損傷、心不全などの治療を行う計画がある。iPS細胞移植の技術が確立されれば、今までは回復が不可能だった体の機能も取り戻せる時代になっていくね。

予知が難しかった「御嶽山噴火」

 9月27日に起きた「御嶽山噴火」では57人の死亡が確認され、戦後最悪の噴火災害となった。
 火山の噴火には、(1)マグマ噴火、(2)マグマ水蒸気爆発、(3)水蒸気爆発の3種類がある。いちばんわかりやすいのは、火口から赤いマグマが噴き出す「マグマ噴火」で、溶岩や火山灰を大量に噴出する。「マグマ水蒸気爆発」は、マグマがある程度上昇したところで地下水に接触して水蒸気になり、水蒸気がマグマと一緒に噴出する噴火。
 今回の御嶽山の噴火は、3つ目の「水蒸気爆発」だった。地下水がマグマの熱で水蒸気になって膨張し、火口をふさいでいた岩石や火山灰を吹き飛ばすので、爆発的な噴火となる。
 御嶽山には、火山活動を監視するため地震計や傾斜計が設置されていた。一般的にマグマ噴火やマグマ水蒸気爆発の場合は、マグマの上昇で火山性地震が起こったり、山が膨らむなどの変化があるので、地震計や傾斜計の数値で、何日か前に噴火を予知できることもある。ところが、水蒸気爆発は前兆が少なく、突然起こることが多いので、御嶽山の噴火も予知が難しかった。
 今回の噴火前も、傾斜計が山の膨張をとらえたのは噴火のわずか7分前。噴火の前兆とわかる火山性地震を観測したのも噴火の11分前で、避難指示は間に合わなかった。これが多くの犠牲者を出した一つの理由だ。
 また、噴火災害の被害の大きさは、噴火の規模によるとは限らない。噴火の規模は、溶岩や火山灰などの噴出物の量で量るが、今回の御嶽山噴火による噴出物は約40万m3で、1990〜1996年にマグマ噴火を起こした雲仙・普賢岳の噴出物約2億m3 の500分の1。2000〜2002年にマグマ水蒸気爆発と水蒸気爆発を起こした三宅島の噴出物約260万m3と比べても規模は小さい。だが、噴火の起きた日は紅葉シーズンの晴天の土曜日で、しかも昼時に噴火したため、山頂付近に250人もの人がいた。このような時間帯に噴火したことが、多くの犠牲者を出したもう一つの理由だ。
 噴火による被害を防ぐには、火山のメカニズムをさらに研究し、噴火の前兆をとらえて予知できるような体制を作ることが大切だ。

宇宙旅行が遠のいた?「スペースシップ2」墜落

 アメリカの民間企業ヴァージン・ギャラクティック社は、2015年の実施を目標に、宇宙旅行の募集をしていた。料金は1人25万ドル(約2800万円)。俳優のレオナルド・ディカプリオや歌手のレディ・ガガなど700人がすでに搭乗予定で、そのうち19人が日本人だった。
 ところが、2014年10月31日、カリフォルニア州で飛行テストをしていた同社の宇宙船「スペースシップ2」が、まさかの墜落。パイロット2人が死傷した。そのため、目前に迫っていた民間の宇宙旅行の実現は、少し先のことになりそうだ。
 ヴァージン・ギャラクティック社が宇宙旅行に使用する予定だった宇宙船「スペースシップ2」は、全長約18・3m、幅約8・2mで定員は8人。2人のパイロットと6人の乗客が乗り込める。
 募集していた宇宙旅行は、「スペースシップ2」を母船の「ホワイトナイト2」につり下げた状態で離陸し、高度約15qまで上昇。そこで母船と切り離してロケットエンジンに点火。大気圏と宇宙空間の境となる高度100q以上までマッハ3・3(音速の3・3倍)のスピードで上昇し、宇宙空間で数分間、無重力状態を体験できるというもの。宇宙飛行士のような特別な訓練を受けなくても、18歳以上の健康な人であれば参加できるので、“誰でも宇宙へ行ける時代”の幕開けとなるはずだった。
 「スペースシップ2」の試験飛行は今回で35回目、ロケット噴射飛行は4回目だった。離陸し、高度14q付近で母船から切り離された13秒後に異常が発生し、宇宙船は爆発、墜落した。
 今回の試験飛行は、ロケットエンジンの燃料がゴム系のポリブタジエンからプラスティック系のポリアミドに変更されて初めての飛行だったが、事故原因はまだわかっていない。
 1機目の「スペースシップ2」は爆発してしまったが、2機目の建造が65%ほどまで進んでいて、母船「ホワイトナイト2」も無事。今後も宇宙旅行事業は続けられるようだ。同じ失敗を繰り返さないためにも事故原因を究明し、“宇宙旅行”という私たちの夢をかなえられるようにしてほしいね。

SCIENCE CALENDAR

東工大のスパコンが「省エネ性能世界一」に

 世界のスーパーコンピュータが性能を競い合うランキングで、東京工業大学のスパコン「TSUBAME−KFC」が、「省エネ性能世界一」に輝いた。省エネ性能は、消費電力1ワット当たりの計算速度を競う。東工大のスパコンは前年11月に続き、2回連続の1位。

 

「水素エネルギー白書」初めて発表

 経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構は、初めての「水素エネルギー白書」を発表。水素は燃やしても二酸化炭素が発生しないクリーンエネルギーなので、政府は水素の活用を推進し、燃料電池車や家庭用燃料電池(エネファーム)などを普及させたい考えだ。

 

草食恐竜「丹波竜」が新属新種の恐竜と判明

 兵庫県丹波市の白亜紀前期(約1億1000万年前)の地層から見つかった大型草食恐竜の化石が、ティタノサウルス形類の新属新種と判明。「丹波竜」の愛称で呼ばれているこの恐竜に「タンバティタニス・アミキティアエ」(丹波の女巨人・友情)という学名がつけられた。

 

広島市の土砂災害「まさ土」で被害拡大

 広島市北部で1時間に100mm を超える集中豪雨があり、市内75 か所で大規模な土砂災害が発生。74 人の死者を出した。広島県の山地は花こう岩が風化してできた「まさ土」という砂のようなもろい土で覆われている。大量の水を含んで崩れやすくなり、被害が大きくなった。

 

成層圏の「オゾン」が規制の効果で増加

 成層圏の「オゾン」の増加が初めて確認された。オゾン層は太陽光線の紫外線を吸収し、皮膚がんなどの原因となる紫外線から人間を守っている。冷蔵庫やスプレー缶に使われたフロンなどが大気中に放出され、オゾン層の破壊が進んでいたが、破壊物質を規制した効果が表れた。

 

熊本県の「阿蘇」を世界ジオパークに認定

 「阿蘇」(熊本県)が、ユネスコの世界ジオパークに認定された。国内での認定は隠岐(島根県)などに続き7番目。世界ジオパークは科学的に価値の高い地形や地質を持つ地域を認定するもので、阿蘇には世界有数のカルデラや火山活動が続く中岳、広大な草千里などがある。

 

日本各地で「皆既月食」を観測

 各地で約1時間にわたり「皆既月食」が観測された。月が欠けて見える月食は、地球が太陽と月の間に入り、地球の影に月が入ることで起こる。全部が地球の影に入る皆既月食でも真っ暗ではなく月が赤銅色に見えるのは、地球の大気で散乱した太陽の赤い光だけが月に届くため。

 

ロケット「アンタレス」が打ち上げに失敗

 国際宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給船「シグナス」を載せたロケット「アンタレス」が打ち上げに失敗し、爆破された。アンタレスはアメリカの民間企業のロケットで、シグナスには宇宙飛行士の食料や千葉工業大学の流星観測カメラ「メテオ」が積まれていた。

 

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