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eドリル トップページ > That's GAKU(2014年9月)

2014年9月

日本語は省略できる言語?

 アメリカのある映画で、子どもがお母さんに「I love you!」と言うシーンがありました。これを日本語に訳すと、「私はあなたが大好きです。」となります。ただ、実際にはこのような言い方はほとんどしませんね。日本の子どもがお母さんに言うのなら、言葉を削って「大好きだよ!」などと言うでしょう。
 日本語は英語に比べ、言葉の省略が多い言語だといわれています。「ちょっといい?」などと声をかけることがありますが、これなどもその典型です。誰が主語なのか、「ちょっと」が何を修飾しているのかなど、足りない情報がたくさんあります。それでも意味が通じるのは、相手との関わりや微妙な言い回しなどで、それが伝わるからです。
 では、これが文章であったらどうなるでしょう。「ちょっといい?」をそのまま書き言葉にしても、何が言いたいのかはっきりしません。「私は彼に少し時間をもらえるかをたずねた。」などと言葉を補って、初めて読む人に伝わるようになります。

必要な言葉は省略せず
丁寧に説明しよう

 文章を書くとき、自分ではわかっているため、気づかないうちに言葉足らずになってしまうのはよくあることです。たとえば、「日曜日、ぼくは試合に行った。シュートがうまくいかなくて悔しかった。」という文章だけ見ても、それがサッカーなのか野球なのか、それともバスケットボールなのかがわかりません。書き言葉であることを常に意識して、丁寧に説明することが大切です。読む人を混乱させないことが文章を書くうえで最も重要なことなのです。
 では、次のページから言葉の不足がどういったときに起きやすいのかを学んでいきましょう。今回は、ボランティア活動に参加した体験について書かれた文章をもとに考えていきます。

わかりにくい文章(1)

 それまでボランティア活動をしたことがなかったので、最初は応募する気になれなかった。

解決策

書き出しの文には主語を入れる。

「その朝、私は起きた。私は顔を洗った。私が朝食を食べていると母が……」という文章のように、同じ主語が続く場合はある程度省略したほうが読みやすいでしょう。
 ただ、書き出しや段落の始まりなどの主語は、ないと意味がわかりづらくなります。必ず入れるようにしましょう。

わかりやすい文章(1)

 それまで私はボランティア活動をしたことがなかったので、最初は応募する気になれなかった。

わかりにくい文章(2)

 当日は、先生と生徒十人の計十一人で訪問した。訪問先では、はなの世話をした。

解決策

修飾語を入れて、理解しやすくする。

 文法的には違和感がなくても、知らない人が読むと意味の通じない文があります。「はなの世話をした」と書かれていても、読む人がそのボランティア活動について知らなければ、「植物の世話? それとも、何かの名前?」と迷ってしまいます。正しく理解してもらうためにも、適切な修飾語を入れましょう。
 この文章の場合は、どこへ行ったのかについても書き加えると、さらにわかりやすくなります。

わかりやすい文章(2)

 当日は、先生と生徒十人の計十一人で保護犬の世話をする施設を訪問した。そこでは、「はな」という名前の犬の世話をした。

わかりにくい文章(3)

 この体験から、ボランティア活動の必要性を強く感じたし、役に立てた。

解決策

文意が通るように述部を整える。

 自分では言いたいことがわかっているため、つい必要な言葉を書かないまま文を終わらせてしまうことがあります。この文では、「ボランティア活動の必要性を強く感じた」ことと「役に立てた」ことを書こうと思ったのでしょう。ただし、「この体験から〜役に立てた。」では文意が通りません。「この体験から〜役に立てたと強く感じた」、「この体験から〜役に立つ喜びを知った」などと正しい述語を入れて述部を整えましょう。

わかりやすい文章(3)

 この体験から、ボランティア活動の必要性を強く感じたし、役に立てることの喜びを知った。

わかりにくい文章(4)

 ボランティアをすれば、それがたとえわずかでも誰かを支えることができる。

解決策

言葉の正しい意味を知ってから使う。

 「ボランティア」とは、「ボランティア活動をする人」のことを指します。そのため、活動を指す場合には「ボランティア活動」と表現する必要があります。このような言葉の誤用をなくしましょう。
 ちなみに、「ボランティアをする人」と表現すると、「ボランティア活動をする人をする人」という意味になってしまいます。二重の表現にならないように言葉の意味を正しく理解しておきましょう。

わかりやすい文章(4)

 ボランティア活動をすれば、それがたとえわずかでも誰かを支えることができる。

読む人のことを考えて文章を書こう

 日本語では言葉の省略がしばしば行われます。何度も同じ言葉が出てくると、自己主張が強く、くどい文に感じられるからです。

 ただ、必要な言葉まで省略してしまっては、くどいどころか、理解さえしてもらえなくなることがわかりましたか?

 では、必要な言葉を補った文章をとおして読んでみましょう。

昨年、学校でボランティアの募集があった。それまで私はボランティア活動をしたことがなかったので、最初は応募する気になれなかった。けれど、友人に誘われ、応募してみることにした。

 当日は、先生と生徒十人の計十一人で保護犬の世話をする施設を訪問した。そこでは、「はな」という名前の犬の世話をした。世話は大変だったものの、それ以上にやりがいを感じた。この体験から、ボランティア活動の必要性を強く感じたし、役に立てることの喜びを知った。

 ボランティア活動をすれば、それがたとえわずかでも誰かを支えることができる。今後も継続して参加し、誰かの役に立ち続けたい。

 必要な言葉を補うことで、この文章を書いた人が何をしたのか、どのようなことを考えていたのかがわかりやすく伝わるようになりました。

 「たぶんわかるから大丈夫」ではなく、「読む人は何も知らないかもしれないのだから、わかりやすく説明しよう」という心構えで文章を書きましょう。

覚えておこう!

 数字を書くときにもルールがあります。たて書きの原稿用紙では、原則として数字は漢数字で書きます。

二ケタの数字
三ケタ・四ケタの数字
五ケタの数字

十二 五十五 八十/八〇
一二三 三〇〇 二八〇二
二万一〇〇〇 八万二十五

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