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eドリル トップページ > That's GAKU(2013年8月)

2013年8月

南米チリに建設された「アルマ望遠鏡」って?

南米チリのアタカマ高地で、3月13日、「アルマ望遠鏡」の開所式が行われた。この電波望遠鏡の本格運用は、世界の天文学研究者が待ち望んでいたこと。なぜなら、アルマ望遠鏡は、これまで天文学研究の第一線で使われてきた、すばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡の約10倍の性能(視力)を持っているからだ。アルマ望遠鏡は略称で、正式には「アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計」という。アタカマは地名で、ミリ波、サブミリ波は、観測する電波の種類だ。国立天文台がハワイに設置しているすばる望遠鏡は、可視光(目に見える光)と赤外線を観測する望遠鏡なので、温度の低い宇宙空間のちりやガスなどを観測することはできないが、低温のちりやガスはミリ波やサブミリ波を放射しているので、アルマ望遠鏡なら観測できる。暗黒の宇宙が観測できれば、銀河の起源や星が生まれるしくみ、生命につながる分子についてなど、宇宙のなぞが解き明かせると、大きな期待が寄せられている。望遠鏡といえば、レンズをのぞくと、星の光が見えるものを想像するが、アルマ望遠鏡は、直径12mのアンテナ54台と直径7mのアンテナ12台、計66台のパラボラアンテナが組み合わされたもの。観測データを合成することで、天体の真の姿に忠実な電波画像を得られるというよ。アルマ望遠鏡の建設・運用は国際的なプロジェクトで、日本も参加している。日本の国立天文台を代表とする東アジア、アメリカ国立電波天文台を代表とする北米連合、ヨーロッパ南天天文台を代表とするヨーロッパなどが共同で進めている事業だ。もともと各国で高性能な巨大望遠鏡を建設する計画があったが、巨額の費用がかかるため、それらを統合して2001年に計画がまとまった。観測に最適な標高5000mのアタカマ高地を探し出したのは日本の研究チーム。1994年、日本独自で電波望遠鏡を作る計画が持ち上がったとき、世界中を回り、水蒸気が少ないこの地を探し出していた。これからの天文学ニュースでは、このアルマ望遠鏡の名前を聞くことがきっと多くなるはずだ。

渥美半島沖で採掘成功!「メタンハイドレート」からガス

新しいエネルギー源の開発が、また一歩前進した。経済産業省は、3月12日に、渥美半島(愛知県)沖、海底の地下約330mの場所にある「メタンハイドレート」から、メタンガスを取り出すことに成功したと発表。海底にあるメタンハイドレートからガスを取り出したのは、世界で初めてだ。メタンハイドレートは、メタンと水が結びついて結晶になったシャーベット状のもので、燃える氷≠ニ呼ばれる。メタンは、燃やしたときに排出される二酸化炭素の量が石油や石炭のおよそ半分なので、地球温暖化対策のためにも有効な天然ガスだ。メタンハイドレートは、シベリアやアラスカの永久凍土の層や水深500m以上の海底の下に眠っている。日本近海にも、日本の天然ガス使用量の100年分が埋蔵されている。今回は、周辺の水をポンプでくみ上げてメタンハイドレート層の圧力を下げる減圧法で、水とメタンガスに分離させ、出てきたメタンガスを採取した。経済産業省は、2018年度までに生産技術を確立し、国産の燃料として生産するという目標を掲げている。商業化するには、採掘の費用が高いことが問題だが、日本の技術と工夫で課題を解決して、実用化してほしいね。

「風疹」はなぜ大流行したの?

今年、全国で「風疹」にかかった患者の数が、6月9日現在で1万102人となり、1万人を超えた。患者が激増した昨年の同じ時期に比べても約30倍。大流行が起きたことがわかる。風疹は、風疹ウイルスによって発症する感染症。潜伏期間は2〜3週間で、リンパ節のはれや赤い発疹、発熱などの症状が表れる。けれども、風疹は重症化することの少ない病気だ。にもかかわらず、風疹の流行が社会問題となっているのには理由がある。それは、妊娠初期の妊婦が風疹にかかると、お腹の赤ちゃんが先天性風疹症候群になり、目や耳、心臓などに障害が出ることがあるからだ。残念ながら、昨年後半以降、国立感染症研究所には、先天性風疹症候群の赤ちゃんが11人報告されている。では、なぜ風疹の大流行が起きたのだろう。それは、予防接種の制度に問題があったからだ。風疹は一度かかると免疫ができ、二度はかからないので、予防接種で免疫をつくれば予防できる。そのため、予防接種法により、平成7年度以降に生まれた人は、ほぼ全員が子どものうちに予防接種を2回受けている。ところが、それ以前は時代によって予防接種の受け方が違う。昭和54年4月1日以前に生まれた男性(30代後半以上)は、定期接種で風疹の予防接種を受ける機会が一度もなく、昭和54年4月2日から平成7年4月1日の間に生まれた人も、予防接種を受けていない人が多い。そのため、予防接種をしていない20〜40代の男性を中心に大流行したのだ。この年代の男性は、妊婦の夫である可能性もあり、妊婦に移す危険もある。風疹の大流行で、予防接種の重要性を改めて知った人も多いかもしれないね。

「アルプスの氷河」が消滅する?

アルプスの山岳地帯には、世界遺産にもなっているスイスのアレッチ氷河など「アルプスの氷河」が広がっている。しかし、この氷河が、年々減少していることがわかった。氷河は、万年雪が圧縮されてできたもの。毎年、少しずつ下流へ移動しているが、一年中消えることはない。ところが、アルプスの氷河の面積を比べてみると、1960年代後半から1970年代前半には約3020km2かなくなっている。この40年ほどの間に、4割近く減少したことになる。その原因は、いうまでもなく、二酸化炭素など温室効果ガスの排出による地球温暖化だ。特に2000年以降は、毎年、40km2が失われているという研究もある。40km2といえば、東京ドーム850個分以上の広さだ。氷河が溶ける速度は加速していて、このまま温暖化が進めば、アルプスの氷河がすべて消滅する日も近いかもしれない。氷河がなくなると、地形も変化し、洪水や干ばつなどそれまでにはなかった災害も発生する。周辺の植生や生態系も変わってしまうはずだ。一度、消滅したら、元には戻せないのが自然。氷河が消滅したアルプスの姿を見なくてすむようにしたいね。

「暗黒物質」の証拠となる現象を観測?

「暗黒物質(ダークマター)」とは、名前からして怪しげだが、宇宙空間の4分の1を占めると考えられていながら、まだ確認されていない仮説上の物質だ。暗黒物質は、目には見えず、触ることもできず、発する電波を観測することもできない。しかし、質量(重さ)はあり、その重力で星や銀河を引っぱっていると考えられている未知の物質だ。欧州合同原子核研究所など16か国でつくる研究チームは、その暗黒物質が存在する証拠を見つけようと観測を行った。研究チームは、暗黒物質が「ニュートラリーノ」という素粒子ではないかと仮定。ニュートラリーノも、理論上予想されている素粒子で、まだ未発見のもの。しかし、暗黒物質がニュートラリーノなら、互いに衝突して陽電子(電子と反対のプラスの電荷を持つ粒子)ができるはずなので、宇宙空間でそれをとらえることにした。そのために、宇宙空間を光速に近い速度で飛ぶ陽子などの微粒子の宇宙線をとらえる装置「アルファ磁気分光器(AMS)」を製作し、スペースシャトルで国際宇宙ステーションへ運んで観測を行った。AMSは、1年半の間に、約250億個の粒子をとらえて分析し、40万個以上の陽電子を検出。すでに見つかっている物質で宇宙ができていると説明するには陽電子が多く、宇宙に暗黒物質が存在する証拠と考えられる。ただ、このデータだけでは、陽電子が他の天文現象によってできた可能性もあるので、さらに観測や分析を続けるという。暗黒物質の正体がわかれば、星や銀河が今のような形になるのに、どんな役割を果たしたのかも明らかになるはずだ。

SCIENCE CALENDAR

「PM 2.5」の基準値超えで初の注意喚起

熊本県荒尾市で「PM 2.5」の大気中の濃度が環境省の基準を超えたため、県は外出を控えるよう呼びかけた。環境省はPM 2.5 の大気中の濃度が1日平均1m3あたり70μg を超えると予測されたとき、注意喚起することにしたが、この指針に沿った注意喚起は初めて。

 

宇宙が誕生したのは「138 億年前」

欧州宇宙機関は、同機関が打ち上げたプランク衛星の観測データから、宇宙が誕生したのは「138億年前」だとする研究結果を発表した。宇宙誕生の時期は、これまでアメリカの衛星の観測結果から、137億年前とされていたが、それより約1億年古いことになる。

 

「シーラカンス」の進化の遅さゲノムでも証明

3億年も姿が変わらない「シーラカンス」は“生きた化石”と呼ばれる。アメリカの研究チームがいろいろな動物の全遺伝情報(ゲノム)を、枝分かれする前の共通の祖先と比較したところ、シーラカンスの変化量は陸上動物の約半分で、進化が遅いことがわかった。

 

台湾でも感染確認「H7N9 型鳥インフルエンザ」

台湾で、「H7N9 型鳥インフルエンザ」の感染者が確認された。H7N9 型鳥インフルエンザは、人への感染が中国で初めて確認されたが、中国本土以外での感染者は、これが初めて。感染した53歳の男性は、3 月下旬から4月上旬にかけて中国本土に滞在していた。

 

大気中の二酸化炭素濃度初めて「400ppm」以上に

ハワイ島にあるマウナロア観測所で、大気中の二酸化炭素の濃度が、初めて「400ppm」を超えた。この観測所は、地球の平均値の観測拠点。産業革命前の二酸化炭素の濃度は、280ppmと推定されていて、現在の濃度上昇率は、半世紀前の3倍に加速している。

 

 

アメリカ南部で「EF5」の巨大竜巻発生

アメリカ南部のオクラホマ州ムーアで巨大な竜巻が発生し、24 人が死亡した。最大風速は94mに達し、竜巻の規模を表す改良藤田スケールでは、6段階で最強の「EF5」と判定された。アメリカでは年間1000 件の竜巻が発生し、オクラホマ州は竜巻の多発地帯。

 

 

福島原発事故の避難区域放射線量「4割減少」

原子力規制委員会は、福島原発事故による避難区域の放射線量の推移を発表。避難区域は4つの区分に分かれているが、事故から2年が経過し、すべての区域で平均空間線量が「4割減少」した。放射性物質が自然減少したり、雨で流されたりしたことが減少の理由。

 

「太陽光発電」の市場規模日本が第1位に

今年、日本に新規導入される「太陽光発電」の能力は、昨年の2.2倍に拡大。設備の販売額や設置費用などを合計した太陽光発電の市場規模は約1兆9100億円で、ドイツを抜いて世界1位になる見込みだ。新規導入される発電量では、中国が第1位で日本は2位。

 

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