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eドリル トップページ > That's GAKU(2013年3月)

2013年3月

性能のいい部品を開発できる技術力

パナソニック、ソニー、シャープといった日本の電機メーカーのテレビの売上が減少してきていることが大きく報道された。だが、その原因は、ものづくりの「技術」で、中国や韓国に後れをとるようになったからではない。確かにアジアの企業も技術力をつけてきてはいるが、日本の企業の製品は、円高や貿易自由化に遅れたこと、法人税や人件費が高いことなどで製品が割高になってしまう。そのため、組み立てに特別な技術を必要とせず、大量に安く作れるほうがいいテレビは、人件費が安い国の製品のほうがよく売れるというわけだ。しかし、組み立て作業のコストでは、人件費の安い国と競争できなくても、日本には新しい素材や性能のいい部品を開発できる「技術力」がある。それが生かされているのが電子部品の分野だ。

海外メーカーの製品にも日本製の電子部品

スマートフォンは、ここ数年で生産台数が伸びている製品の一つ。スマートフォンの市場をみると、アメリカのアップルと韓国のサムスンの製品が圧倒的に売れている。2社の製品が世界のシェアの半分弱を占めていて、上位に日本のメーカーの名前はない。ところが、アップルやサムスンのスマートフォンの中身を見ると、そこには日本のメーカーの電子部品が数多く使われている。たとえば、通信のため、必要な周波数の電波信号を取り出すのに使われるSAW(表面弾性波)フィルターという電子部品は、日本の村田製作所とTDKの2社で、世界市場の7割をまかなっている。回路を電磁波から守り、映像の乱れを防ぐ電磁波シールドフィルムのように、日本のタツタ電線というメーカーが世界シェアの9割以上を占めている部品もある。また、1台のスマートフォンに約300〜500個も使われている超小型部品のセラミックコンデンサーでも、日本の村田製作所、TDK、太陽誘電などの会社が高い技術を誇り、半導体部品やコイルなどでも、日本の企業が世界最小の部品を製品化している。日本のメーカーは、部品の小型化、軽量化が得意。スマートフォンには高性能で小さくて軽い部品が求められるので、日本の技術力が生かされているというわけだ。スマートフォンのiPhoneはアメリカのアップルの製品だが、アップルは自社の生産工場を持っていない。製品の企画や宣伝、販売などをするが、製品の製造は、日本などのメーカーの電子部品を調達し、組み立ては台湾などのEMS(製造受託)メーカーに委託する。つまり、iPhone も日本の電子部品メーカーの技術力がなければ、作れないというわけだ。アップルのように製品を売るメーカーの名前は、宣伝や広告でもよく目にするので私たちも知っているが、その製品に使われている電子部品のメーカー名は、あまり知る機会がないね。けれども、電子部品に目を向けると、日本の技術の底力を知ることができるよ。

リチウムイオン電池には日本製の素材

今度は、電子部品を作るための素材に目を向けてみよう。充電して繰り返し使えるリチウムイオン電池は、他の電池に比べて小型化、軽量化ができるので、スマートフォンやノートパソコンなどに欠かせない電池。最近では、ハイブリッドカーや電気自動車にも採用され、これから需要がますます伸びると期待されている。このリチウムイオン電池は日本で開発されたもので、その素材も日本の化学メーカーが高いシェアを占しめている。リチウムイオン電池の主な部材には、正極材、負極材、電解液、セパレーターがあるが、正極材は日亜化学工業、負極材は日立化成工業、電解液は宇部興産、セパレーターは旭化成イーマテリアルズという会社がそれぞれ世界1位のシェア。こうしてみてくると、製品を組み立てて完成させることばかりが「ものづくり」ではなく、部品やその素材を作るところからものづくりは始まっていることがわかるね。世界のメーカーの製品を支えている日本の電子部品や素材づくりの技術は、まちがいなく世界に誇れるものだ。

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