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eドリル トップページ > That's GAKU(2013年1月)

2013年1月

干ばつのあとに土地の砂漠化も

昨年の夏、アメリカ中西部は、56年ぶりという大干ばつに見舞われた。干ばつとは、雨(雨量)が平年より少ない時期が続き、ある地域で水が不足した状態をいう。今回、アメリカで大干ばつに見舞われた地域は、大豆やトウモロコシの産地で、収穫量が大幅に減少した。また、牧草が育たないために、牛などの家畜を手放した畜産農家も多かったというよ。日本では、最近、それほど深刻な干ばつはないが、食料の60%を輸入に頼っているので、原産国の干ばつにより、食品が値上がりすることはよくあるね。アメリカの干ばつで、大豆やトウモロコシが値上がりするのはもちろん、それらの加工食品である豆腐や植物油、それからトウモロコシや大豆を飼料としている牛肉なども値上がりが予想されているよ。この10年ほどの間には、アメリカだけでなく、中国、オーストラリア、ロシア、アフリカなどでも深刻な干ばつがあった。干ばつになると、農作物や牧草が育たないために食料不足になる。すると、食料の値段が高騰し、お金のある先進国が食料を買い占めてしまうため、発展途上国ではますます食料不足になる。そういった悪循環から、水や食料を求めて争いが起こり、社会が不安定になってしまうことさえある。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、今後、熱帯の乾燥地域ではますます雨量が減り、ヨーロッパなどの中緯度地域でも雨量が減るという予測を発表している。この地域で人が利用できる水の量は、21世紀半ばには現在より10〜30%減少。ヨーロッパでは、2020年頃に北部、東部で干ばつが増え、2070年頃には、南部の広い地域で大干ばつが度々起こると予測されている。

また、干ばつをきっかけにして、その土地が砂漠化してしまうことも問題だ。砂漠は、気候が乾燥しているために植物が育たない土地だが、砂漠化は、それまで植物が育っていた土地なのに、自然のサイクルを壊したために荒れて、不毛な土地になってしまう現象だ。つまり、気候だけが原因ではなく、多くは人間の活動が、元に戻らないほど自然を傷めつけてしまうことで起こる。たとえば、干ばつで草木が少なくなったところに、多くの牛や羊を放牧して草や木の芽を根こそぎ食べさせてしまう。燃料や材木にするために木をたくさん切ってしまう。農地を休ませずに作物を作り、養分のない不毛の土地にしてしまう。そうした人間の活動で植物も生えなくなった土地は、表土が風で飛ばされ、水を貯える力もなくなり、砂漠化していくというわけだ。アフリカ北部には、広大なサハラ砂漠があるが、その周辺の地域で砂漠化が進んでいる(右の図参照)。特にサハラ砂漠の南側はサヘル地帯と呼ばれ、1970年代から年間降水量が減少する傾向にある。度々干ばつに襲われた地域では、放牧や木の伐採などによって自然が破壊され、砂漠化が進んでしまった。アジアでは、内モンゴル自治区の放牧地など中国北部で砂漠化が心配されている。

地球温暖化で極端な気象現象が増加

温暖化が進むと地表や海面から蒸発する水分が増え、ゲリラ豪雨や巨大台風が増える。だが、地球全体にまんべんなく雨が降るわけではない。水や大気が循環している地球では、どこかで大雨が降れば、別のどこかでは雨が少なくなる。昨年起きたアメリカの干ばつの原因は偏西風の蛇行にあった。いつもは偏西風に乗って移動する高気圧が、偏西風が大きく蛇行したことでくぼみに入って取り残され、アメリカ上空に居座った。そのため晴天続きで干ばつになったんだ。その頃、日本では蛇行した偏西風のくぼみに梅雨前線が停滞し、九州北部が豪雨になっていた。 温暖化で気温や雨量、大気の流れが変わると、豪雨や干ばつといった極端な気象現象が起こりやすくなる。そして、雨量が増える地域と、雨量が減って干ばつが増える地域ができる。全体的には、熱帯の元々雨量が多い地域と極地に近い高緯度の地域は雨量が増え、熱帯の乾燥地域と中緯度の地域は雨量が減って干ばつが増えると予測されている。中緯度地域にはヨーロッパ、アフリカ北部、アメリカ西部など農業地帯や人口の多い地域が多く、干ばつの被害は拡大しそうだ。しかも、総雨量は減少するのに豪雨は増え、一つの地域で干ばつと洪水の両方の被害が出ることも多くなる。水の利用法などの対策を考える必要があるね。

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