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eドリル トップページ > That's GAKU(2012年12月)

2012年12月

「南海トラフ地震」が起こると32万人の死者?

内閣府の検討会は、マグニチュード(M)9・1の「南海トラフ地震」が発生すると、最大32万3000人もの死者が出るという衝撃的な被害想定を発表した。南海トラフとは、太平洋の駿河湾から紀伊半島の沖を通り、宮崎沖の日向灘まで続く水深約4000mの海底の溝。南海トラフはユーラシアプレートとフィリピン海プレートの2つのプレート(岩盤)がぶつかり、フィリピン海プレートが沈み込む場所なので、各所で100〜 150年ごとにM8クラスの地震が起きている。最近では、1944(昭和21)年に紀伊半島南方沖を震源とするM8・0の南海地震が起きているが、東海を震源とする地震は、1854(安政元)年の安政東海地震以来150年以上発生していない。そのため、そろそろ地震が発生する周期ではないかと予想されている。そこで、南海トラフを震源として東海、東南海、南海の3つのエリアで連動してM9・1(東日本大震災はM9・0)という地震が起きた場合の最悪のケースを想定して、被害を予測した。南海トラフ地震で想定される死者の死亡原因は、津波が23万人、建物倒壊が8万2000人、火災が1万人など。高知県では最大34m、静岡県では33mの高さの津波が予想され、死者の大部分は津波で命を落とすと考えられる。だが、全員が10分以内に高いビルや高台に避難できれば、津波による死者は4万6000人に減少する。また、建物を耐震構造にすることや家具を固定することでも犠牲者は減り、今後の対策で、死者は6万1000人まで減らせるという。東日本大震災では想定外≠フ津波で多くの命が失われた。過去の地震やプレート状態の分析などにより、地震の揺れや津波の規模を正確に想定して、その対策を進めることで、将来の地震被害を確実に減らせるはずだね。

「ニホンカワウソ」がレッドリストの絶滅種に!

環境省は、レッドリストの改訂作業で、「ニホンカワウソ」を絶滅危惧(絶滅が心配される)種から絶滅種に変更したと発表した。環境省が作成するレッドリストは、日本に生息する動植物について、絶滅の危険があるものを危険度によってランク(カテゴリー)分けし、まとめたもの。おおむね5年ごとに評価が見直されている。カワウソはイタチ科の動物で、イタチより大きく、ラッコの近縁種。南極、オーストラリアを除く各大陸に生息している。ニホンカワウソは、体長60〜80pほどで、胴体が細長く、短い足には水かきがついていて、水の中を俊敏に泳ぎ回れる。明治初期には、日本全国の河川や海岸に広く分布し、魚やエビ、カニ、カエルなどをエサにしていた。ところが、ニホンカワウソの毛皮は保温性が高く良質であったために、大正から昭和初期にかけて乱獲され、数が激減してしまった。戦後、高知、香川、愛媛の沿岸部にわずかに生息していたが、河川の水質悪化や護岸工事によってエサやねぐらがなくなり、1979(昭和54)年に高知県須崎市で目撃されたのを最後に姿を消した。乱獲、環境汚染、自然破壊。人間の行為がニホンカワウソを絶滅に追いやったという事実を、私たちは忘れてはいけないね。

「Jアラート」が機能せず宝の持ち腐れ=H

9月12日、全国1725市区町村で「Jアラート(全国瞬時警報システム)」の一斉訓練が行われた。ところが、少なくとも240以上の市区町村で警報を伝えられないトラブルが発生。Jアラートはこれまでに112億円をかけて整備したシステムだが、設定ミスや不具合により、機能しない状態になっている自治体があり、宝の持ち腐れ≠ナはないかという声も上がっている。Jアラートは、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験のときも話題になったが、地震や津波、ミサイル攻撃など緊急事態が発生したときに、国からの緊急情報を約2秒で地方自治体に送れるシステム。消防庁から発信された緊急情報は、人工衛星を使って各自治体に送られ、各自治体は専用端末で受信して、防災無線やコミュニティーFM、メールなどを通じ、住民に知らせるしくみになっている。2007年に運用を開始し、全国の市区町村の99%にあたる1725市区町村で導入済みだ。しかし、その後の調査で、3割を超える市区町村で、受信した情報を自動的に伝える自動起動機が使えず、瞬時に情報を住民に伝えられない状態であることがわかった。自治体までは2秒で緊急情報が届いても、住民に伝わらなければ意味がない。緊急時には生死にかかわるシステムなので、いつでも使えるようにしてほしいね。

北極海の氷の最小記録を日本の「しずく」が観測!

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、北極海の氷の面積が9月16日に349万km2まで減少し、観測史上最小の面積になったと発表した。このデータを観測したのが、水循環変動観測衛星「しずく」だ。 「しずく」は、高性能マイクロ波放射計を搭載していて、降水量、水蒸気量、海洋上の風速や水温、陸の水分量、積雪の深度などを観測する。マイクロ波放射計は、海面や地表などから放射されているマイクロ波と呼ばれる弱い電磁波を6つの周波数帯に分けて観測できる。自然に放射されるマイクロ波の強さは、物に含まれる水分量や表面温度などで決まり、周波数ごとに異なるので、それを分析することで、地表や海面、大気の状態がわかるというわけだ。「しずく」は、地球規模での気候変動や水循環のメカニズムを解明するためのミッションで、2012年5月18日にHUAロケットで打ち上げられた。そして、6月29日には地上700qにあるA─Trainという軌道に入った。この軌道は、アメリカ航空宇宙局主導の地球観測に参加する衛星がたどる観測軌道で、同じ軌道を隊列を組んで飛行することで、複数の衛星が地球の同じ場所をほぼ同じ時刻に観測することができるようにしている。水循環変動観測衛星「しずく」の観測によって、地球の気候変動や水循環の実態が、今後、明らかになっていきそうだね。

日本でも採取できる「シェールオイル」って?

原子力に頼らずに電力をまかなっていくには、これからどんなエネルギーを使えばいいか、関心が高まっているところだね。そんななか、秋田県由利本荘市で、新型の原油である「シェールオイル」の試験採取が行われた。日本でシェールオイルの採取に成功したのは、これが初めてだ。シェールオイルは、地中深くにある頁岩(シェール)の岩盤に含まれている原油。これまでは、岩盤に含まれている原油を採掘することが技術的に難しく、採算も合わなかったため、ほとんど採掘されなかった。しかし、採掘技術の進歩もあり、アメリカでは石油に替わる新しいエネルギー資源として期待され、すでに本格的な生産が始まっている。今回の試験採取は、大手の資源開発会社が、自分の会社で採掘している鮎川油ガス田の地下約1800mの地点で行った。この油ガス田と隣接する油ガス田のシェールオイルの埋蔵量は、合わせて約500万バレル。秋田県全体の埋蔵量は1億バレル(日本の年間石油消費量の1割弱)と推定されている。ただし、原油の成分や採掘のコストによっては、事業として採算がとれないこともあるので、原油の成分や採掘できる量などを総合的に判断して、本格的に採掘するかどうかを決めるという。シェールオイルは、日本国内で採掘できる貴重なエネルギー資源なので、うまく利用できるといいね。

SCIENCE CALENDAR

渡良瀬遊水地(茨城・栃木・群馬・埼玉)や宮島(広島)など日本の9か所が、新たに「ラムサール条約」の登録湿地となり、日本の登録湿地は46か所になった。ラムサール条約は、多様な生物のすみかである湖沼や河川、干潟などの湿地を保全するための条約。

宮崎県の綾地域が、ユネスコの「エコパーク」に登録された。国内で5か所目。エコパークは生態系の保全と持続可能な利活用の調和、自然と人間社会の共生を目的としている。綾地域には国内最大規模の照葉樹林があり、自然保護と地域振興の活動が評価された。

2011年11月に打ち上げられたアメリカ航空宇宙局の無人探査車「キュリオシティー」が、火星に着陸した。アメリカは2030年代半ばまでに、宇宙飛行士を火星の軌道に到達させる探査計画を進めており、探査車の着陸成功は、計画の実現への重要な一歩となった。

和歌山県にあるレジャー施設「アドベンチャーワールド」で、「パンダ」の良浜がメスの赤ちゃんを出産。この施設で飼育されているパンダは、国内最多の9頭になった。同施設では、2000年以降、13頭の赤ちゃんが生まれており、パンダの繁殖には実績がある。

レッドリストの見直しを進める環境省は、極度の不漁が続く「ニホンウナギ」を、絶滅危惧U種(絶滅の危険が増大している種)に指定する方針だ。レッドリストで絶滅危惧種に指定されても、漁獲や取引の制限はないが、漁獲量の削減などを求める声は高まりそうだ。

5〜8歳の子どもについて、平日の睡眠時間と「脳」の海馬の体積の関係を調べたところ、睡眠時間が10 時間以上の子どもは6時間の子どもより海馬が約1割大きいことがわかった。海馬は記憶や感情にかかわる部分。“寝る子は脳も育つ”ということだ。

減少が心配されていた東大西洋の「クロマグロ」が、増加傾向に転じたことがわかった。東大西洋では1970年代半ばからクロマグロが減りはじめ、1999年からは漁獲規制を導入して、資源の維持に努めてきた。クロマグロは高級なすしネタとして日本人に人気がある。

気象庁は、9月の「世界平均気温」が平年より0.24度高く、統計を取り始めた1891(明治24)年以降、最高を記録したと発表した。9月の世界平均気温の推移を見ると、100年で0.6度の割合で上昇していることがわかり、地球温暖化の影響があると考えられる。

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