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eドリル トップページ > That's GAKU(2012年9月)

2012年9月

堅いイメージを消しおしゃれ感を出す

増え続けるカタカナ語でもっとも多いのは、ビジネスやパソコンに関連する分野だけど、みんなに身近なカタカナ語としては、芸能人やスポーツ選手などがよく使う言葉が広まるケースがある。たとえば、大リーガーのイチロー選手がよく使う「リスペクト(尊敬)」。また、音楽アーティストが何かから着想を得て楽曲をつくったときなどに「○○にインスパイア(触発)されて」という言葉もよく聞くね。こうしたカタカナ語が増えた理由は、日本語では出せないおしゃれ感があるためだ。「尊敬」「触発」というと、どこか堅くて大げさな印象があるけど、カタカナ語にすると、おしゃれで柔らかいイメージになる。おしゃれ感はカタカナ語が増える大きな要因なんだ。スポーツ選手がよく使う「モチベーション」などは、日本語では一言で表現をしにくいことから生まれたカタカナ語。直訳すれば「動機づけ」という意味だけど、「目標に向かう意思の源」という感じで使われているようだ。やっぱり、日本語にはしにくいよね。

多くの効果をもつカタカナ語の力

カタカナ語には、印象が悪い言葉をオブラートに包む効果もある。たとえば「リストラ」。「リストラクション」の略語で、物事の制度などを整え直すことをいう。でも、日本では会社から従業員が解雇される意味で使用されており、「解雇」では響きがあまりに冷たいので、この言葉が一般化した。これとは逆に、強いインパクトを与えるために使うカタカナ語もある。たとえば「キャリア」。一般的には「経歴」という意味だけど、国家公務員の上級試験に合格した人を「キャリア組」と呼ぶことがある。最難関試験の合格者だけに、「ずば抜けて優秀な人」という強烈な印象を与えている。日本独自の使い方をするカタカナ語も増えている。「リベンジ」もその一つで、「再挑戦」という意味で浸透している。でも、本来は「復讐」という意味なので、外国人に「リベンジする」などと言ったら恐れられてしまうよ。実は、英語には一語で「再挑戦」という意味を表す言葉はない。「リチャレンジ」「リトライ」という言葉はあるけれど、これは科学や法律など学術的分野で何かを再びやり直す場合に使用する言葉。「もう一度挑戦する」と言うには「I willchallenge it again.」が一般的だ。さらに、カタカナ語の使用率が高いのは、略語として用いる場合だ。さきほどの「リストラ」もそうだし、最近では「スマートフォン」を「スマホ」と言ったりもする。「コンビニ(コンビニエンスストア)」「エアコン(エアコンディショナー)」など、挙げればきりがない。

便利な面の裏側にある危険も意識しよう

このように、カタカナ語には多くの効果や利便性がある。しかし、気をつけたいのは、その効果に甘えて好ましくない表現を使ったり、無意識のうちに誰かを傷つけたりする場合が少なくないことだ。たとえば、「いじめ」は「イジメ」とカタカナで表記されることも多いけど、漢字で書くと「虐め」。つまり相手を精神的・肉体的に「虐げる」ことを表している。ところが、カタカナにするとオブラート効果が働いて、何かそれほど大それたことではないような印象をもってしまいがちだ。「キモい」にしても、「気持ち悪い」を略語化し、さらにカタカナ表記することで、本来ならとても人を傷つける言葉なのに、そのことを忘れてしまうほど、言葉の響きが軽くなっている。もちろん、現代的で楽しいカタカナ語もたくさんあるけれど、否定的な言葉をカタカナにすることで、本来の意味をごまかしてしまう危険性があることを理解しておいてほしい。便利なカタカナ語は今後も増え続けていくだろう。近年、メールが普及したことで、誰かに向けて文字を書く機会も圧倒的に増えた。それだけに、漢字、ひらがな、カタカナの3種類の文字をもつ日本語の豊かさを知り、相手や状況によって正しく使い分けることがいっそう重要になりそうだ。カタカナ語のたどってきた歴史を頭の片すみに置きながら、上手にカタカナ語を使っていこう。

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