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eドリル トップページ > That's GAKU(2012年8月)

2012年8月

サイエンスキーワード&カレンダー

立山連峰の雪渓を日本で初めて「氷河」と認定

立山連峰の雪渓を日本で初めて「氷河」と認定

氷河がある国といえば、氷河に侵食されたフィヨルドで知られるノルウェーやアルプスのあるスイスなどが思い浮かぶが、日本もその仲間入りをすることになった。氷河とは、降り積もった雪が厚い氷になり、重力によって長期間連続して流動しているもの。つまり、川のように低いほうへ移動し続けている巨大な氷の塊だ。これまで、ロシアのカムチャツカ半島より南の東アジアには、氷河は存在しないとされてきた。ところが、富山県の立山カルデラ砂防博物館が、立山連峰の主峰、雄山(3003m)の御前沢雪渓と剣岳(2999m)の三ノ窓雪渓、小窓雪渓の3か所で氷河を発見。今年4月、日本雪氷学会が、日本初の「氷河」だと認定した。立山カルデラ博物館は、2009年から調査を開始し、雪を掘り、氷に穴を開けてポールを立て、その位置をGPS(全地球測位システム)で測定するなどして、氷の塊が移動する距離を測った。その結果、3か所の雪渓で、年におよそ4mのスピードで、厚さ30mにも達する巨大な氷の塊が動いていることを確認した。氷河ができる条件としては、気温が低いことと、夏に解けないほどたくさんの雪が降ることが挙げられる。気温だけなら、富士山や北海道にも条件を満たしそうなところはあるが、どちらも降雪量は多くない。2つの条件を満たすのが、豪雪地帯の立山だった。今年になって日本初の氷河が認定されたのには、科学技術の進歩も貢献している。実は、戦前に、立山の雪渓は氷河ではないかと考えた学者もいたが、断崖絶壁の向こうにある雪渓で、当時の計器では、それを確認することは不可能だった。ようやく最近になって、氷の厚さを測るレーダーやGPSの計測器が小型になり、雪渓まで持ち込めるようになったという。計測機器の進歩とともに、今後も、未知の地球の姿が明らかになっていくことだろうね。

太陽の磁場が「4重極構造」になる?

太陽の磁場が「4重極構造」になる?

太陽の磁場に異変が起きていることが、国立天文台などの研究チームの観測でわかった。普通、太陽の磁場は、地球と同じようにN極とS極が1つずつある。それが、N極とS極が2つずつある「4重極構造」になりそうだという。太陽は、約11年の周期で、活動が活発な時期と静かな時期を繰り返していて、最も活発なときに南北のN極とS極が入れ替わる。次の活動のピークは2013年5月で、そのときにN極とS極が同時に入れ替わると考えられていた。ところが、国立天文台などの研究チームが、太陽観測衛星「ひので」を使って調べたところ、2008年の北極はS極で、2009年ごろから、北極がS極からN極に反転しはじめたのに、南極はN極のままだった。その結果から、赤道付近に、それぞれのN極の対になるS極が出現していると考えられる。これが4重極構造だ。太陽の磁場を観測するようになって、およそ50年になるが、これまでに、はっきりとした4重極構造を観測したことはない。ただし、地球が寒冷化した17〜18世紀には、太陽の磁場が4重極構造になっていたのではないかと考えられている。太陽の黒点も少ない状態になっており、国立天文台の常田佐久教授は、「地球が寒冷化する可能性がある」と分析している。

長崎半島の地層から「翼竜化石」15点を発掘!

長崎半島の地層から「翼竜化石」15点を発掘!

長崎市南西部に位置する長崎半島の白亜紀後期(約8400万年前)の地層から、「翼竜化石」15点が発掘されたことがわかった。これまでに、日本国内では、北海道から熊本にかけて、約30点の翼竜の化石が発見されているが、ほとんどが小さな歯や骨の一部で、全身の様子がわかる化石の発掘はこれが初めて。 翼竜は、大型のハ虫類で、初めて空を飛んだ脊椎動物。翼は膜のような構造で、コウモリの翼に似ている。翼竜は恐竜ではないが、同じ祖先を持つ近縁種だ。そして、恐竜と同じく、白亜紀末に彗星の衝突により絶滅した。長崎市は、福井県立恐竜博物館と共同で発掘調査を行い、2009年10月に、翼竜の化石を発見。骨の形から、両翼の長さが3〜4mのアズダルコ科の翼竜とみられている。アズダルコ科の大型の翼竜は両翼が10mに達するが、今回見つかったものは中型で、大人か子どもかはわかっていない。長崎市では、これまでにも白亜紀後期の地層から、恐竜やワニ、カメなどの化石が発掘されており、今回の翼竜化石の発掘によって、長崎半島一帯には、白亜紀後期に陸生の脊椎動物が生息する地域が広がっていたことが、改めて確認された。新たな化石の発見も期待されているよ。

つくばの大型竜巻「藤田スケール」でF3を記録!

つくばの大型竜巻「藤田スケール」でF3を記録!

5月6日、関東地方で大気の状態が不安定になり、各地で竜巻が起こった。茨城県と栃木県では、約2300棟が破損したが、つくば市では、家が倒壊し、中学生の犠牲者まで出てしまった。現在、竜巻の強さは「藤田(F)スケール」という国際基準で表されている。この基準は、1971年に、シカゴ大学の藤田哲也博士が考案したもので、被害状況から風速を推測し、「F0」〜「F5」までの6段階で表す。約300棟を破損したつくばの竜巻は、当初、藤田スケールで4番目に強い「F2」と評価された。「F2」は、約7秒間の平均風速が秒速50〜69m。家の屋根がはぎ取られ、大木が倒れる被害が出る強さ。しかし、1か月後に1ランク上の「F3」に修正された。「F3」は、約5秒間の平均風速が70〜92mで、壁が押し倒され、住宅が倒壊する被害が出る強さ。つくばの竜巻でも、基礎ごと横倒しになった住宅があった。 日本でこれまでに確認された竜巻では、2006年に9人の死亡者を出した北海道佐呂間町の竜巻など3例が「F3」と認定され、国内観測史上最強だったが、つくばの竜巻もそれに匹敵する強さだったことがわかった。日本人研究者が作成した竜巻のスケールが、国際基準になっていることは誇らしいが、藤田スケールで表されるような大きな竜巻で、被害が出ないことを祈りたいね。

「ガラパゴスゾウガメ」ロンサム・ジョージ℃す

「ガラパゴスゾウガメ」ロンサム・ジョージ℃す

「ガラパゴスゾウガメ」は、南米エクアドルのガラパゴス諸島だけに生息する世界最大のリクガメ。甲羅の長さは130p、体重300sにもなる。ガラパゴスゾウガメは、生息する島ごとに独自の進化をしたため、小さな違いのある亜種が、かつては15種いた。その一つであるピンタゾウガメは、絶滅したと思われていたが、1971年にピンタ島でただ一頭生き延びているのが発見され、保護されて、ロンサム・ジョージ(独りぼっちのジョージ)≠フ愛称で親しまれていた。そのジョージが、6月24日、飼育先で死んでいるのが見つかった。推定年齢100歳以上。これでピンタゾウガメは絶滅し、ガラパゴスゾウガメの亜種も10種に減へった。 そもそも、ガラパゴス諸島には、ゾウガメの天敵はいなかった。それなのに数が減ってしまったのは、16世紀にヨーロッパ人が島を発見してから、乱獲され、天敵が持ち込まれたからだった。ガラパゴスゾウガメは、捕鯨船の食料や燃料用として大量に捕獲され、卵や子ガメの天敵である犬や猫、豚などが島に持ち込まれ、エサとなる草を山羊や牛に食べられるようになり、絶滅の危機を迎えた。ガラパゴスゾウガメは、人間による乱獲や環境破壊により、絶滅の危機に陥った動物の象徴ともいえる。保護活動により、すべての種が絶滅する危機は脱したが、ピンタゾウガメのように絶滅してしまった種もある。人間が過ちを繰り返さないためにも、ロンサム・ジョージ≠フことを覚えておきたいね。

SCIENCE CALENDAR

3/13ビタミンB1 などが「化学遺産」に

日本化学会は、約100 年前に鈴木 梅太郎博士が発見したビタミンB1 の発見当時の結晶化標本など7 件を、「化学遺産」に選んだ。化学遺産は、後世に残すべき化学に関する貴重な歴史資料を認定するもの。2010年に創設され、これで化学遺産は17 件になった。

3/16「ニュートリノ」光の速さを超えず

素粒子「ニュートリノ」が光より速く飛んだという名古屋大学などの実験結果を検証していた欧州合同原子核研究所は、計測上の誤りがあり、光速を超えていなかったと発表した。光より速いものはないというアインシュタインの相対性理論は覆らなかった。

4/4 「超薄型太陽電池」の開発に成功

東京大学とオーストリアのヨハネスケプラー大学などが、厚さが食品ラップの5 分の1以下という「超薄型太陽電池」を共同開発した。その薄さは1.9 μm(μmは1mm の1000分の1)。5 年後をめどに衣類などに貼りつけて使える太陽電池の実現をめざす。

4/10 4億年前の地層から「シーラカンス」の化石

中国科学院などのチームが、中国雲南省の約4 億年前の地層から「シーラカンス」の最古の化石を見つけたと発表。シーラカンスは、3 億年以上前から現在までほとんど姿を変えていないため“生きた化石” と呼ばれるが、特徴は4億年前からほとんど変わっていない。

5/11 マヤ文明最古の「天文記録」を発見

アメリカ・ボストン大学の考古学者が、中米グアテマラの遺跡で、マヤ文明最古の「天文記録」とみられる壁画を見つけたと発表。この壁画は9 世紀のもの。マヤ人は日食や月食に合わせて宗教儀式を行っており、壁画の数字は、月や火星などの運行周期とみられる。

5/21 日本では25 年ぶりの「金環日食」を観測

東北南部から九州南部までの広い地域で、「金環日食」が観測された。金環日食は、太陽、月、地球が一直線上に並ぶことによって起こる。金環日食帯から外れた地域でも、月によって太陽が欠けて見える部分日食が観測された。次の金環日食は18 年後に北海道で。

6/5 129億1900万光年離れた「最も遠い銀河」を発見

国立天文台の研究チームが、ハワイのすばる望遠鏡で、「最も遠い銀河」の観測記録を更新したと新聞が報道。この銀河の地球からの距離は129 億1900 万光年。地球に今、届く光は、約137 億年前のビッグバンで宇宙が誕生してから、約7.5 億年後に発せられたもの。

6/6 「金星の太陽面通過」で“黒い点” が太陽を移動

全国で「金星の太陽面通過」現象が起こり、西日本などで観測された。この現象は、太陽、金星、地球が一直線上に並ぶことで起き、太陽を横切る金星が、黒い点のように見えた。金星が太陽面に入った瞬間、滴のように見えるブラックドロップ現象も観測された。

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