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eドリル トップページ > That's GAKU(2012年4月)

2012年4月

サイエンスキーワード&カレンダー

「COP 17」で京都議定書延長日本は不参加

「COP 17」で京都議定書延長日本は不参加

昨年の11月28日から12月11日まで、南アフリカのダーバンで「COP17(第17回気候変動枠組条約締約国会議)」が開かれた。気候変動枠組条約は、大気中に温室効果ガスが増えて地球が温暖化し、自然や人類に悪影響を及ぼさないようにするための条約で、1994年に発効した。その締約国が集まり、温暖化対策などを話し合うのが締約国会議(COP)。第1回がCOP1で、COP17は第17回。1997年に京都で開催されたCOP3で、「京都議定書」が採択され、温室効果ガスの排出量を減らすために、それぞれの国が努力してきたが、2012年末で、京都議定書の温室効果ガス削減義務期間が終わるので、その後の温暖化対策の枠組みをどうするかが、COP17の焦点だった。事前の交渉で、途上国は、先進国だけが温室効果ガス削減義務を負う京都議定書の継続を主張し、先進国は、排出量が増えている中国などの新興国も参加した新しい枠組みを作ろうと主張していた。COP17での話し合いの結果、京都議定書を2013年以降も継続し、温室効果ガス削減義務期間を5年間または7年間延長することにした。そして、2020年に、先進国も途上国もすべての国が参加する、温暖化防止のための新しい枠組みを発効させることにし、2015年のCOP21で、具体的な削減目標などの採択をめざす。京都議定書に参加していなかったアメリカや中国、インドなど排出量の多い国が、新しい枠組み作りの交渉に参加すると約束したことは、COP17の大きな成果だった。日本、カナダ、ロシアは、温室効果ガス大量排出国の中国、アメリカ、インドが排出量削減の義務を負う新しい枠組みを、すぐに作ろうと主張したが、それが認められなかったため、2013年以降の京都議定書の温室効果ガス削減義務期間の延長には参加せず、新しい枠組みができるまで、自主的に削減の努力をすることになった。

チョウが味を見分ける「味覚受容体遺伝子」って?

チョウが味を見分ける「味覚受容体遺伝子」って?

チョウは、幼虫がエサに困らないように、エサとなる植物に卵を産みつける。モンシロチョウならアオムシが好きなキャベツに、アゲハチョウの幼虫ならミカン科の植物に卵を産む。では、チョウはどうやって植物を見分けているのだろう。チョウの成虫は花の蜜などをエサにしているので、ストロー状の口器に味を感じる味覚器官があるが、幼虫のエサである葉を食べることはない。葉は食べないが、産卵場所を決める前に、前脚で葉の表面をたたくドラミングという行動をする。実は、チョウの前脚の先のほうにブラシのような感覚毛があり、ここで、幼虫のために葉の味見をして、植物を見分けているんだ。そこで、JT生命誌研究館や大阪大学などの研究チームは、前脚の感覚毛に、味覚の情報をキャッチする遺伝子があるはずだと考え、アゲハチョウの一種であるナミアゲハの遺伝子を解析。世界で初めて、「味覚受容体遺伝子」を発見した。ナミアゲハは、この味覚受容体遺伝子によって、産卵する植物を確認するだけでなく、この遺伝子がつくるタンパク質が、感覚毛の神経細胞の表面でミカン科の植物のシネフリンという物質とくっつくと、神経細胞に刺激が伝わり、産卵を促す働きをすることがわかった。幼虫のエサとなる葉を見つけたら、産卵が始まるしくみになっているんだね。

「ヒッグス粒子」をついに発見か?

「ヒッグス粒子」をついに発見か?

世界の物理学者が長年探し求めていた「ヒッグス粒子」が、ついに発見されそうだ。欧州合同原子核研究機関は、2つの国際チーム「アトラス」と「CMS」の実験により、研究が大きく前進したと発表した。今年いっぱいデータを集めれば、ヒッグス粒子の存在が確認できるかもしれない。ヒッグス粒子は、この世のあらゆるものに重さ(質量)を持たせたと考えられる粒子。1960年代にイギリスのピーター・ヒッグス博士が理論によって存在を提唱したが、まだ確認されていない。宇宙はビッグバンと呼ばれる大爆発によって誕生し、いろいろな素粒子(物質をそれ以上分けられないところまで小さくした粒)が生まれた。ビッグバン直後の素粒子には質量がなく、真空を光速で飛び回っていた。ところが、ビッグバンの100億分の1秒後にヒッグス粒子が集まった空間ができたために素粒子は動きにくくなり、光速より遅くなって、それぞれの素粒子が質量を持つようになったと考えられている。素粒子の動きにくさが質量というわけだ。アトラスの実験には日本の研究チームも参加している。1周27qの円形の加速器のトンネルの中で、陽子を光速に近い速さまで加速して正面衝突させ、ビッグバンに近い状態にしてヒッグス粒子に変化したものを検出している。ヒッグス粒子の発見は、物質がなぜ質量を持つようになったか、宇宙がどのように誕生し、今の姿になったかという謎を解く鍵になるはずだ。

木星の衛星「エウロパ」に巨大な湖?

木星の衛星「エウロパ」に巨大な湖?

「エウロパ」は木星の周りを回る衛星。そのエウロパの表面を覆う氷の下に、巨大な湖が広がっている可能性があると、アメリカ航空宇宙局(NASA)が発表した。エウロパは、木星の60個以上ある衛星の一つで、1610年にガリレオ・ガリレイによって発見された。直径約3100qで、月(直径約3500q)より小さい。これまでの観測で、エウロパの表面は3q以上の厚さの氷で覆われていることがわかっており、ところどころにひび割われが見つかっていた。今回、アメリカのテキサス大学の研究チームが、木星探査機「ガリレオ」を使って、エウロパを観測。そのとき撮影したエウロパの表面に、切り立った崖やくぼみに落ち込んだ形状の場所が見つかった。そこは、厚い氷の下に大量の水があって、その水と氷がさかんに混じり合って作られた形状である可能性が高いという。水とエネルギーがあれば、生命の誕生が考えられる。もし、氷の下に大量の水があれば、エウロパ内部からのエネルギーを得て、生命が誕生しているかもしれない。現在、地球以外で生命が存在する可能性が最も高いと思われる場所が、エウロパの氷の下の湖だ。何年後に、それを確認できる日が来るのか、楽しみにしたいね。

南極の氷底湖「ボストーク湖」に到達

南極の氷底湖「ボストーク湖」に到達

キミは南極大陸に湖があるのを知っているだろうか?南極大陸は氷に覆われているが、その氷の下に、「ボストーク湖」という巨大な湖がある。ボストーク湖は、最も広いところで、幅50q、長さ250qあり、面積は琵琶湖の20倍以上。厚さ3・8qの氷の下にある。そのため、直接確認することはできなかったが、1960年代の終わりから1970年代の初めにかけて、上空からのレーダーによる調査で、その存在が確認された。1998年にロシア、フランス、アメリカの共同チームが、深さ約3・6qのところまで氷を掘削し、湖の上にある氷の分析などを行ったが、湖までは達していなかった。今年2月、ロシアの調査隊が、氷を深さ3・8qまで掘り、初めてボストーク湖の表面に到達した。この湖の水がどのような成分で、生命体が見つかるかどうかもわからないが、2000万年以上の間、厚い氷の下に閉じ込められていた湖なので、古代の微生物や独自の生命体が発見されるのではないかと期待が寄せられている。木星の衛星「エウロパ」(上の「キーワード4」)の氷の下の湖とも環境がよく似ているので、エウロパに生命が存在するかどうかを占ううえでも、今後の調査の結果が気になるね。

SCIENCE CALENDAR

11/3 「神舟8号」ドッキングに成功

11月1日に発射された中国の無人宇宙船「神舟8号」が、先に打ち上げられていた無人実験機「天宮1号」と、宇宙空間でのドッキング(連結)に成功した。これまでにドッキングを成功させているのはアメリカとソ連(ロシア)で、中国が世界で3番目となった。

11/23 がん細胞を光らせる「試薬」を開発

東京大学の浦野泰照教授らが、がんが疑われる部分にスプレーすると、数十秒から数分でがん細胞が光りだす「試薬」を開発した。手術の現場でも、すぐに結果がわかるので、小さながんも見落とさずにすむ。数年以内に、一般の病院でも使えるようにしたいという。

12/12 「HUA」ロケット打ち上げ成功率95%に

三菱重工業と宇宙航空研究開発機構は「HUA」20号機の打ち上げに成功。これでHUAの打ち上げは20機中19機、14回連続の成功となり、成功率は95%に上昇。ロケットの打ち上げでは、20回の打ち上げで成功率95%が国際的な信頼性の目安で、その基準に達した。

12/12 「iPS 細胞」から血小板を量産

「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」から血液の成分である血小板を大量に作れる技術を、東京大学と京都大学の研究グループが開発した。血小板は血液の病気の治療などに欠かせない。今は献血で賄っているが、将来、不足が心配されているので、実用化が期待される。

1/24 「始祖鳥」の羽は黒かった

最も古い鳥類とされる「始祖鳥」の羽の色は、黒かった可能性が高い。アメリカのブラウン大学などの研究チームが、ジュラ紀後期(約1億5000万年前)の始祖鳥の羽毛化石の細胞構造を、現生鳥類と比較した結果、95%以上の確率で羽は黒かったことがわかった。

1/31 7月1日に「うるう秒」を挿入

総務省は、7月1日に「うるう秒」を挿入すると発表した。うるう秒は、1日を1秒長くして、地球の自転をもとにした時間と、時計の時間のずれを合わせるためのもの。7月1日の午前8時59分59秒と9時0分0秒の間に、8時59分60秒が挿入される。

2/7 絶滅の「ミズナギドリ」小笠原諸島で発見

絶滅したと思われていた海鳥「ミズナギドリ」の一種が、小笠原諸島で発見された。この鳥は、1990 年代初頭に、ハワイ近くのミッドウェー諸島で確認されたのが最後で、絶滅したと考えられていたが、そこから約4000km離れた小笠原諸島で生息していた。

2/13 10年に0.02度のペースで「海水温上昇」

気象庁は1950年から2011年までのデータを解析し、水深700mまでの「海水温上昇」が、世界平均で10年に0.02度のペースであると発表した。海面水温は10年あたり0.072度の割合で上がっており、海水の膨張による海水面の上昇や生態系への影響が心配されている。

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