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eドリル トップページ > That's GAKU(2011年2月)

2011年2月

人体に備わる驚異のメカニズム なぜ皮膚で温度がわかるの?

人間の体には驚くようなメカニズムがたくさんあり、計り知れない能力を備えている。その1つにスポットを当て、紹介するのがこのコーナーだ。今回のテーマは「皮膚」。キミは皮膚にどんな働きがあるか知っているかな? 皮膚にはいろいろな働きがあるが、今回は外からの刺激を感知するセンサーとしてのメカニズムを探ってみよう!

皮膚にはどんな働きがあるの?

皮膚の構造

人間の体の表面を覆っている皮膚。その面積は大人で約1.62m、皮下組織まで含めると、重さは約9sにもなる。その重さからみても、皮膚は人間の体の多くの部分 を占めていることがわかるね。皮膚の働きを、取り立てて考える機会は少ないかもしれないが、人間はやけどなどで皮膚の3分の1以上を失うと、生命の危機に陥る。その事実からも、皮膚には人 間が生きていくうえで重要な働きがあることがわかるね。皮膚には大きく分けて3つの働きがある。1つは「外の環境から体を守る働き」。たとえば、体に物がぶつかったときには、皮膚がショックを和らげる。また太陽光線の刺激や有害な細菌、ウイルスが体内に侵入しないように守るのも体を覆っている皮膚の働きだ。 2つ目は「体温調節の働き」。暑いときには汗を出し、寒いときには毛穴を閉じて体温を一定に保つのも、皮膚の大切な働きだね。  そして3つ目が、今回注目しているメカニズムで、「外からの刺激を感知するセンサーとしての働き」だ。熱いカップをつかんだとき、私たちは手の皮膚で熱さを感じる。でも、皮膚で感じている刺 激は、温度だけではないはずだ。ネコをなでるとふわふわ、またはごわごわした毛の「手触り」も感じるね。

皮膚にはどんなセンサーがあるの?

 

皮膚にはどんなセンサーがあるの?

実は皮膚が外からの刺激を受けて感じ取る感覚は5つある。 温かい、熱いと感じる「温覚」、冷たいと感じる「冷覚」、痛みを感じる「痛覚」、物に触れた手触りを感じる「触覚」、押された力の強弱を感じる「圧覚」だ。 この5つの感覚は、それぞれ次のようなセンサー(受容体)によって感知されると考えられている。

①温覚……自由神経終末、ルフィニ小体、②冷覚……自由神経終末、クラウゼ小体、③痛覚……自由神経終末、
④触覚……パチニ小体、マイスネル小体、⑤圧覚……パチニ小体、マイスネル小体

皮膚の構造は、右下の図のように3層になっていて、表面に出ている「表皮」の下に「真皮」、その下に「皮下組織」がある。表皮にはそれぞれの感覚を感じる「温点」、「冷点」、「痛点」、「触点」などの感覚点が点在しているが、実際にその刺激を感知するセンサーは、皮膚の表面には出ていない。「自由神経終末」の先端 だけは表皮の下部に入り込んでいるが、「ルフィニ小体」と「クラウゼ小体」、「マイスネル小体」は真皮に、「パチニ小体」は皮下組織にある。人間の表皮は0.1〜0.3 o、真皮も2〜3 oの厚さしかないが、その中にたくさんのセンサーが備えられているというわけだ。 皮膚のセンサーで感知された情報は、脊髄を通って大脳の体性感覚野に送られて情報が統合されることで、初めて「冷たい」とか「痛い」といった感覚を感じる。ただし、非常に熱いものや冷たいものを触ったときには、脳へ信号が伝わる前に、脊髄から運動神経に信号が送られ、熱いものや冷たいものから瞬時に手や体を離そうとする「脊髄反射」が起こり、やけどや凍傷から身を守っている。一刻を争うことだけに、この脊髄反射も驚異のメカニズムだね。

皮膚の感じやすさはどこでも同じ?

皮膚の感じやすさはどこでも同じ?

ところで、皮膚の感覚の感じやすさは、全身同じだろうか?実は、感覚点の総数も、体の部位ごとの分布も、それぞれの感覚ごとに違っているんだ。たとえば、温点は全身に3万か所あり、冷点は25万か所あると推定されている。熱さ、温かさよりも冷たさを感じる感覚点のほうが断然多いわけだね。体の部位で温点の密度が高く(たくさん集まっていて)、敏感な場所は顔面や指。だから、寒い日には、温かいお湯で顔を洗うと温かさを感じやすく、いい気持ちになれるんだね。指と手のひらでも温点の密度は違い、指には手のひらの4倍もの温点が存在する。それに対して、太ももや腕、胸などには温点が少ないので、温かさには鈍感なんだ。一方、冷点がいちばん集まっているのはくちびる。それから鼻や腹、胸、顔面と続く。意外なのは、指の腹、つまり物を持つときに触れる所に冷点が少ないことだ。また、触点の敏感さを計る方法には、「皮膚の2点に同時に触れたとき、2つの点を触れられていると感じる最短の距離」がある。触点が多くて敏感なところほど、近い所を触られても、2つの点だと感じ分けられるというわけだ。一般的な触点の敏感さは上のイラストのような結果で、指の腹やくちびるが敏感で、背中やひじ、太ももなどは鈍感だということになる。キミも興味があったら、感じ方がどう違うか実験してみてね。それから、人間の生活を考えて、どうしてこのような感覚点の分布の違いができたのか、考えてみるのもおもしろいね。

ちょっと知っ得!年齢で感じ方が違う?

ちょっと知っ得!年齢で感じ方が違う?

 人は皮膚の温点や冷点で気温や室温を感じ取り、体温調節をしたり、冷暖房を入れるといった室温の調節をしている。だが、若者と高齢者では温度の感じ方が違うんだ。皮膚の同じ面積当たりの冷点の数を比べると、高齢者の冷点は若者の約半分しかない。温点も老化により減少するので、皮膚の温度感覚が鈍くなり、湯たんぽでやけどをしたり、体温調節が遅れて風邪を引いたりといった心配も増えてくる。だから高齢者には「熱くないか、寒くないか」と温度に気を配ってあげることも大切。しかし、若者であっても、エアコンで快適な温度に保たれた室内ばかりにいると、体の温度感覚が鈍くなって、暖房をきかせても暖かく感じなくなり、どんどん室温を上げてしまう人もいるそうだ。正常な温度感覚、体温調節能力を保つためには、季節ごとの部屋の適温を確認し、過剰な暖房や冷房によって体を過保護にしないことが大切だよ

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